b:C隊の場合

チームルームから部屋に戻る道中

「・・・」

俺は仲間を守るこの行動が正しいと思って続けてきた。
それが最適であると信じて動いてきた

だが・・・

『ロウ・・・心底見損なったぞ
 せいぜい自分を大事にしておるんじゃな』

ティルトからは侮蔑の眼差しを向けられ

『貴方は人を言葉で殺せる人だ』

コワクからは拒絶され

『・・・それで仲間の失っていることにどうして気付かないのですか!!
 貴方は助けて等いません苦しめているだけです!』

ユキナからは否定され

『ふぅ…話にならないわねぇ…』

ゼルダからは見捨てられた・・・

その行動のせいで仲間達から拒絶された、一番大事にしているはずの仲間から。
全ては仲間のため、そう思って行動してきたが、それを否定された。
それが赤の他人であればなんてことはない、だが否定してきたのは他でもない、仲間達からである。
さらに、その後桜華やローザちびっこたちからも心配され、励まされた
本当に、情けないったらありゃしない


『同じことされて嬉しいか?』

不意に、ゼルダの言葉を思い出す
同じこと・・・つまり、全てを犠牲にして助けられること
そんなことをされてまで俺は助かりたいだなんて思わない
そんなことをするぐらいなら、逆に俺がその役を買う。

「・・・つまり、嫌なことをずっとやってた、てか」

他人の嫌がるようなこと、それを無意識のうちにやっていたようだ。
仲間達が拒否するのも頷ける。嫌なことをされたら誰だってそれは嫌だと否定するのだから。
なら、なぜ俺は一番大切な仲間達にそんなひどいことを続けることができたのか
あそこまで否定されて、それでもまだ続けようとしたのか、考えた・・・

「・・・あぁ、そうか」

そして、自らの本当の願いを理解する・・・

「俺の願いは、仲間を『守ること』じゃない、仲間を『死なせないこと』だったか・・・」

そこに他人の意思は関係ない。拒否されようとも恨まれようとも
生きているという事実さえあれば、それだけで満足してしまっている。
そしてそれ以外に俺の望みは何もなかった・・・

『みんなが怒ったり、傷ついたりしてるのは・・・
 ロウフル君のそういうところが変わって欲しいって願いなんだろうな・・・って思うけど』

かすみも、みんなもそう思っているからこそ、この状況になってしまったのだろうか
悪いところはわかった、ならそれに対してどうすべきか

『「仲間」にゃ上位互換がいてな「恋人」とか「フィアンセ」とかゆーそーだ』

『その人を、家族として!大事にすればいいんじゃないかな!』

ローザと迅雷は言った、仲間よりも大事な存在を作ってみろと

「・・・試してみる価値はありそうだな」
【仲間以上の存在を作ること】で、なにかわかるかもしれない。
ただ、何をすればいいのだろうか、どうすれば作れるのだろうか
仲間を生かすことだけを考えてきた俺には、いいアイデアが全く出なかった。

『少しみんなを信頼してみてもいいんじゃないかな?』

光一の言ったことを思い出す、こういう困っている時にこそ信頼している仲間を頼るんじゃないか
困った時は力になると・・・仲間達はよく言っている、たまに頼ったってバチは当たらないだろう

「・・・こりゃ少し、相談するしかないかねぇ、サンドバッグにされる覚悟してから」

ただ、今回の一件で仲間達を怒らせてしまった、そう簡単に相談に乗ってくれないのではないだろうか
あそこまで拒絶されたのだから・・・

『そこまで臆病にならなくてもいいのに、関わることさえやめなければ傷はきっと癒せるから』

イオリの言葉を思い出す、憶病になって足を止めるぐらいなら前に進めと背中を押す
そうだ、土下座でも何でもしてどうすればいいか聞き出そう、プライドなんて投げ捨てて
それに謝るならすぐのほうがいい、なら今すぐにでもみんなに謝って・・・




そう考えている最中・・・



「ガッ、クッ・・・」

突然額のあたりから痛みが広がる、頭が割れそうなほどの激痛が走る
そして・・・黒いフォトンが身体から漏れだし、何かが語りかける

『仲間は一番大切な存在だ、仲間は誰一人として失うな、死なせるな
 そのためにお前は存在している、そうだろう?』

声が頭の中に響き、思考が塗りつぶさる・・・

――――――――――――――――――――――――――
現在地:ロウフルの部屋の扉の前

「・・・あれ?」

頭痛が収まった時には、俺はいつの間にか部屋の前まで来ていた。
仲間達に否定され、放心状態で帰ってきてしまったのだろうか
だが、帰っている最中に何か大事なことをしようとしていた気がする・・・

「・・・っ!」

だが、その大事なことを思い出そうとすると、さっきと同じような頭痛に襲われる。

「あぁ、そうだ・・・タナトスを、診ておかねぇと・・・」

そんなことを思い出すよりも、今は彼女の看病のほうが大事だ。
痛む頭を抱えながら俺はタナトスが寝ているベッドに向かう。

今の彼女は昏睡している、無理に起こすと悪影響が出るとゲンヴァラ先生から言われている
ただ、彼女がうなされている時は側にいて安心してやってほしい、とも言われた
なので、今の俺にできることは彼女の手を握ってやることぐらいだった。

「・・・俺は、ここにいるからな」

  • 最終更新:2015-09-15 23:52:29