abnormalize

事の起こりは俺が猫ったれ(ニャウ)が呼んだ赤いAISもどきとやりあってる時だった。コハクが「仕事に付き合って欲しい」と言ってきた。
俺としても別に断る理由はなかったし、そもそも家賃の支払いがギリギリだったこのタイミングでの声掛けは面倒さ回避への救いだった。
AISもどきを沈めて、その後合流した俺らは、仕事先として最近出来た連破訓練、とか言うもんを試してみることにした。
理由?んなもん決まってる、家賃のためだよ。あんの成金がヘラヘラしながら
「最近できたばかりででデータが足りないんだよねー、報酬は払うから試してきてくれないかなー?」
なんて言うもんだからな。

迅雷「さて、という訳でやって来ました連破訓練」
迅雷「参加者は俺とコハ君です」ワーパチパチ
コハク「訓練だから大怪我はねぇだろうが…ジン、油断すんじゃねぇぞ?」

程よく場を盛り上げつつ、訓練を受注。すると回線からイルマの声がした。

イルマ「ど、どうしたんですかジンさん・・・ひょっとしてジンさんとコハクさんもラジオをやるんですか!」
迅雷「ああ、まあ試運転つうのもあるかんね…訓練の」
コハク「やんねぇよ、ただの訓練だ」
迅雷「いや、まあアレは聴いてたがね」

アレ、ってのはイルマとラルムの二人が企画したラジオのことだ。つか、一発で参考元がバレたことに驚いた。
ああ、でも本人が居るんだしバレて当然か…

コハク「回線にいきなり流れてきたからなァ」
迅雷「十分笑かしてもらったわ、あんがとなー」
イルマ「そ、その節は大変ご迷惑を・・・!」
ミリエッタ「いいじゃないですか、楽しかったですよ~」
コハク「俺は面白かったしいいんだがなァま、程々にな、上に見つかると面倒くさそうだしよ」
迅雷「んー、構わんよ、俺はなー、ゼルダかアドニス辺りが説教だろうがね…」
イルマ「いえっ決まりはちゃんと守らないとダメですっあ、次回からはちゃんと許可取っての放送になるのでご安心をっ」
迅雷「んあ、そうなんな」
ミリエッタ「次回、楽しみにしてます…!」

どーやら、初回は回線ジャックという荒療治で放送してたらしい。回線からは他に聞いてた奴の声が聞こえてくる。
概ね好評じゃんか、今後に期待だな。

イルマ「がんばります!」
迅雷「さて、まぁこっちも行こうかね…100体斬りなんざ洒落た真似だよな」

ともかく、本題の連破演習に取り組むことに。内容は簡単、ハルコタンをベースにしたフィールドでエネミーを大小問わず100体倒すのみ。
シンプルイズベストとはよう言ったもんだが、ここまでシンプルにされると他ん演習が面倒くなりそうだ。
とか考えてたら1回雑魚に沈められた。雑念捨てるべし。当たり前っちゃ当たり前なんだがね、慣れってコワイわ、うん。

迅雷「うっし、しゅーりょー」
ミリエッタ「お疲れ様です~」
イルマ「もう終わったんですか!?さすがお二人はすごいですっ」
迅雷「んあ、1回落ちたがね…まぁ、妥協点かね」
イルマ「あれだけ激しい内容なら仕方ないですっ」

結果、7分強で訓練は修了。
なんつうか、何でもありだったな…一人に当てる数じゃ絶対ないわ、あれ。そもそも複数人でのが前提ならいいのかもしれんがね。でもそれじゃデータ集まんないだろよ…

コハク「…お疲れさん」

とか色々考えてる内にコハクの方も気が落ち着いたらしい。身の回りの熱が冷めてる。
アイツ戦闘時は文字通り眼の色変わってるかんね、下手に声かけりゃ斬られるかもしらん。まあ、流石に今はそんなミスせんとは思わんがね。

迅雷「すまんね、助かったわ」
コハク「いや、俺にとってもいい訓練になるしなァ」
迅雷「しっかし、まぁシビアな訓練だこと…二人でコレだかんね」
コハク「一応一人でこなせないことはねぇんだが…それにしても厳しいことに変わりはねぇなァ」
コハク「他の訓練と比べても戦闘面でのきつさが段違いだしなァ」
迅雷「だよな、つうかどっから最後のアレん情報作ったんだか…」
迅雷「未確認じゃなかったんか、アレ」
コハク「さぁな…別次元のエネミーではあったが一応生体反応はあったし」
コハク「なんとかデータ化できたってとこじゃねぇか?」
迅雷「なるほどな…かがくのちからって奴かね」

一通り感想を言い合ってみる。まぁ、互いに思ってたことに違いないみたいだな。

コハク「俺やクロームと同じような、混ざり合った、嫌な匂いもしたしな」
コハク「上としては早急にデータが欲しかったんだろうよ」
迅雷「ふぅん、そうなんな…ま、そんだけお上も警戒してんのな」
コハク「そういうこった…次元すら超えても人ってのは変わり映えしねぇなァ」
迅雷「次元、ね…ま、そうかもな」

コハクから、聞き慣れんワードが飛んできた。「次元」。
こういう時は何か気がかりなことがあるっつうのが経験則だったんで、ちょいカマかけることにする。

迅雷「…何かあるんじゃないん?聞きたいコトさね」
コハク「聞きてぇこと、か…」
迅雷「んあ、そっちからそれっぽいこと振ってきたかんね…」
迅雷「まー、許容範囲で答えっぞ?」
コハク「いや、確かにないわけじゃねぇよ…お前さんは俺以上に時間とか空間のずれに詳しい感じがすっからな」
迅雷「まぁ、かもな」

やっぱし、何かあったようだ。
っても、俺は専門家じゃない訳だし、墓穴掘る真似はしたか無いんで、面倒くならん程度に聞いてはおこうかね。

コハク「パラレルワールド、別の時間軸、実際にそのものを見て、それに巻き込まれてるからこそ信じられる」
迅雷「パラレル…ね、最近ん例だとシャロン関係かね?」
コハク「…が、俺が出来る空間跳躍は同じ空間内の別の座標に飛ぶ、ぐれぇだ」
コハク「そうだな、シャロンもそうだ…俺とそっくりな、あいつのこともだがなァ」
迅雷「十分すごいとは思うがね、それでも」

さらっとすげえ事言いやがった。大家さんとかといい、凄いことをそうでもなさ気に言うのが流行ってんのかね?

コハク「まぁ、普通の奴からすりゃあな……こないだあいつと戦闘になってよ」
迅雷「あいつ?…んー、アレか?大家さんが遭遇したとか言う奴」
コハク「あぁ、黒玉…とか呼んでるんだろ?」
迅雷「ん、確かな、気ぃつけろとは言われたね」

黒玉。別の次元でコハクが全て喰らった果てのモノ、だったか。
大家さんは会った時に相当やばいと勘づいたそうな。俺含めおっさんにまで言い聞かせてた辺り、よっぽどだったんだろな。

コハク「あいつと戦ってる最中あいつと溶け合うような…変な感覚に陥ってよ、あいつも何か感じたようだ、何か思い出したような…な」
迅雷「融け合う、ね…」

一瞬、「地元」でのある面倒事を思い出した。今の俺にゃもう要らないことなんだがな…やっぱそう簡単にゃ忘れられんのな。

コハク「それが俺との戦いによるものなのか、あの時感じた別の気配によるものなのかはわからねぇ、だが今だからこそなんとなくわかる」
迅雷「…」
コハク「この先なんかでけぇことが起こる…その時にあいつを追う必要も出てくるだろう、多分あいつは…戻り方を思い出したんだ」
迅雷「戻り方?」
コハク「自分の世界への戻り方さ、俺の使えるような座標移動とは違う、次元移動だ」
迅雷「ほう、アイツはそれができんのか?って聞くだけ野暮か」
迅雷「出来るんだからやろうとしてんだよな」
コハク「…確実性はねぇけどな、なんとなくとしか感じ取れてねぇしよ」
コハク「嫌な予感にすぎねぇ…だが、それでも気になってなァ」
コハク「別の次元への飛び方…どうにかして掴みてぇがそんなもん検討もつかなくてな」
コハク「なんとなく、お前さんに聞けばきっかけが掴めるかも、とは思ってたってわけだ」

なるほどな。わざわざ名指して俺を呼んだ理由がわかったわ。こりゃ他ん奴に聞かれたくないよな。
ただでさえ心配性の多い隊だ、こんな事言ったら他が何しでかすか分からんもんな。出来る限り自分でケリつけたいんだろな、コハクは。

迅雷「…ヒントになるか知らんがね」
迅雷「まぁ、分かっちゃいるかも知らんが、次元つうのは複数あるわけよ」
迅雷「その全部が平行なわけでもない、らしいてのは大家さんの話だがね」
コハク「だなァ、そして次元は必ずしも全て同じ歴史を辿るとは限らない…だろ?」

とりあえず、俺の知ってる限りん次元に関する情報を渡すことに決めた。向こうもおおよそ知ってるみたいだが。

迅雷「ま、平行じゃないてことはだ」
コハク「…おう」
迅雷「どっかに交差点ができるんよ」
コハク「交差点、か…」
迅雷「そこがズレに関係してんのかもな」

おそらく、黒玉のヤツはその交差点でこっちの次元に飛んできたんだろうな。そんで、近いうちにまたその交差点ができる。それをコハクは感じ取ったんだろう。

因みに大家さんは、俺を交差点を利用して向こう(パノプティコン)からこっち、オラクルに引き戻しやがった。
…あん時の怪我はまだコブになってんぞ。チクショウ

迅雷「俺はようわかっちゃいないんだがね、雰囲気で差は分かるようなってきてるんよな…」
迅雷「それが良いんか悪いんかは知らんがね」
コハク「……いや、あんがとよ、参考にはなったぜ?」
迅雷「そか、そりゃ何より」
コハク「とりあえずさっさと戻るか…この訓練は流石に疲れるしなァ」
迅雷「んだなあ」
コハク「さて、と…んじゃ俺は一度部屋に戻るか…」
迅雷「あいよ、お疲れさんなー」

これから、アイツは何をするのか。俺にゃよう分からんし、そもそも面倒事にゃ首は突っ込みたくない。でも、それが身内のピンチだってなら話は別だ。それまでには腕を上げないかんね…。

※このジンさんの話はncnlの個人的見解です、実際の論理とはことなる可能性があります

【あとがきゃあ】

【???】




  • 最終更新:2015-12-01 15:31:14