DragonNight

アークス・ロビー、ショップエリアにて。
510はある人物のもとを訪れていた。

「や、君か。」
「えぇ、どうも、アキさん」

アークス内での龍族研究の第一人者にして、元「研究室」所属。アキ。彼女のもとである。

「君に頼みたいことは今は無いのだけれども、どうかしたのかい?」
「そうですねぇ。早い事、本題に入った方がいいでしょう」
「そのほうがお互い、時間を取らずに済むからね。で、本題というのはなんだい?」
「こちらを見ていただければ、解るかと」

快活に話すアキに合わせるようにして、510は、今日ここを訪れた理由を差し出した。

「…これは…、510君、一体何処でこれを?」
「僕の『仲間の』一部です」
「…なるほど…ライト君を通さずに、直接私に会いに来たのも、「それ」が理由なのだね?」

アキの目つきが変わっていたことを、510は、見逃さなかった。そして、その目がどういったものであるかも、知っていた。

「えぇ、解って頂けたようで何よりです」
「…ここまで酷い状態になっていれば、私でなくても、その仲間の異変自体には、気付くことは出来たのだろう?でも、君は敢えて私のもとを訪れた。改めて聞かせてもらおうか。目的はなんだい?」
「…『造龍』にまつわるデータ、それと…これにまとわりついているダーカー因子の除去方法、ですかね?」

数秒、沈黙が生じた。その後、アキははっきりとした口調で510に述べた。

「『造龍』に関するデータなら提供しよう。君には恩があるからね。ただね…はっきり言わせてもらおう、ここまで侵食の進んだ状態のものから因子を取り除くのは、無理と言っていい。」
「…そう、ですか」

その言葉を聞いた時、510には、最悪のビジョンが浮かんでしまった。誰も救えない、自分の最も避けるべき結末が。しかし、その後に続いた言葉は、

「ただ、私も研究者の端くれだ。少し、この鱗を貸してもらえないかな?完全に、とまでは言えなくても、何かしら有効な手段がないか探してみせるよ。」

まだ、終わってない。そう、彼女の言葉は彼に希望を告げていた。

「…それは、どの位かかりそうで?」
「まだなんとも言い難いね。でも、君の望むような結果は必ず出そう。その時はこちらから連絡させてもらうよ。」
「分かりました。では、こちらはお渡しします」
「うん。…これも私の罪の一つだ。必ず、やり遂げてみせるよ。それでは、また。」

――アキとの会話を終え。自らの部屋に戻って来た時、510は目的への前進の確かな手応えを感じていた。「救済」という、自らに課された目的の――

【進展なくね?あと鱗って?】


  • 最終更新:2015-09-13 20:48:33