Countdown

既に日は落ち、多くのアークスが眠りに就いた頃

「さぁふ~み~だせ~、かぜをーけちーらせっ♪」

お気に入りのアイドルの曲を自室で口ずさむ少年も就寝の準備をしていた

所属する隊員に自身の悩み、意見・・・それに対する回答を聞き自分が次にどうすればいいか少し見えた
そのためここ最近で一番気分良く眠りにつけそうな、そんな気持ちでいっぱいだった

ティルトが自分を危険から遠ざけてる、それはわかってるつもりだった

最後に会話をした時にティルトがいった言葉
「お前の大好きな姉の人格が死に妾が生まれた、お前はそれでどうしたい?ん?」

結局人格が死んだり、新しく人格が生まれる、その事はさっぱりわからない
しかし、ティルトに何か辛い事、悲しい事が起きた・・・そう感じ取ることが出来た

・・・その時自分は何をしていたのか、仮に傍にいたとして何ができただろうか

考えれば考えるほど悔しくて堪らなかった
自分の慕う「ティルト」の傍にいたい・・・今度は少しでも力になりたい

自分の目標に対する動機も今なら言える

以前イオリに問われた・・・任務の最中に仲間に万が一の事が起きた時どうするか?
あの時はその状況を考えるだけでも怖かった・・・でも今なら
その時自分に出来る事、精一杯尽くす
自分に出来る事は決まっている、その中で最善を尽くす
今ならそうイオリにもちゃんと言えるはず

それでも今のティルトには言葉で言うのは簡単、子供の絵空事と一蹴されるだろう

それでも自分の憧れでもあり、いつも勇気をくれるロウフル・チアキ・コハク・グリム・ゴトー
笑顔で優しく背中を押してくれるイオリ・アカネ・ゼルダ・アネモネ・かすみ・ユキナ

ナゴミやミリィ、雪やカナミには刺激をもらいいつか並んで戦いたい、強い目標をもらった

こんな自分にこんなに素敵な仲間がたくさんいる、そう思うと勇気が溢れてくる

「まずは・・・心配してくれてるのにあんな言い方したこと謝らなきゃ・・・」
どうして自分が危険な任務に行こうとしていたのか・・・しっかり理由も聞いてもらえば少しは進展があるかもしれない
話し合わなければ何も解決しない、だから次会えたら

「ガチャ・・・」

そんな事を考えていたら後方で扉が開く音がした

「あっ・・・ティルトお姉ちゃん・・・!?」

音のした方を振り返った
ドアは少しだけ開けられ、その隙間は真っ暗な闇に包まれていた
そこに浮き上がる「瞳」
ソレは少年を捕え・映し・凝視していた

「っ・・・ぁ・・・」

少年はその瞳を前に言葉を発する事もできず体が震えてる事も認識できていなかった

「・・・バタン」

時間にして10秒・・・少年にはもっと長く感じたであろう
ドアが閉まったことによってその「瞳」から開放された

「・・・ハァ・・・今のは・・・ティルト、お姉ちゃん・・・?」
あの「瞳」の正体は誰なのか、しかしそれを確かめるべくドアを開け追いかける勇気はなかった
自身が震え、全身から汗が噴出してることに気がついたから

「ハミュ君が怪我をしてほしくない別の理由でもあるのかなーっ?」
不意にアカネの言った言葉を思い出し悪寒を感じる

「ティルトは、ハミュが居なくなったら困るんだ、嫌なんだ。 認めてねぇわけじゃねぇ、心配なだけだ」
左目を抑え・・・先刻コハクの言った言葉を思い出し力なく何度も頷く

「・・・大丈夫、もう気持ちが揺らいだりしない・・・」

震えが治まった事を確認し、溢れていた勇気を失わないよう嫌な事を振り切るように眠りに就いた



【中の人より】


  • 最終更新:2015-09-15 01:54:01