Coexist

明日が今日へ変わる頃、暗い部屋に光が灯る

アークスとしての仕事を終え帰宅した部屋主への挨拶のように時計が鳴る

ティルト:遅くなったな・・・まだ慣れない事がいっぱいだと思うように動けないなぁ

実績はあるのに実践が0というティルトは戦闘以外の所でまだ慣れないでいた

ティルト:・・・やっぱり、あの人みたいにテキパキできないな

あの人・・・自身を深い闇の中から引きずりあげてくれた恩人、ミュラの事をいつも考えては苦笑いを浮かべる

会いたい・・・会って謝りたい、ありがとうを言いたい・・・もっとお話がしたい・・・
そんなことを考え既に時が動きはじめて1ヶ月が経とうとしている

寝る前にハミューの寝顔を覗きロウフルから受け取ったイヤリングを両手で包み祈りを捧げる
寝る前の日課を済ませてティルトも床に就く

ティルト:大丈夫・・・絶対会える・・・会える・・・

そう呟きながらティルトも夢の中に潜り込む


【魔女の晩餐】



ある日の夜、チームルームには多くの隊員が集まっていた
新しく出た服や新しい髪形の話で大いに盛り上がっていた

何度も目にしてきた風景
いつものメンバーがいつも通り楽しそうに会話をしている

イオリ:最近はこの衣装ですねー
510 :新作でしたっけ、一つ前の
ユキナ: 一つ前は・・・新作と・・・よ・・・呼ばないような・・・;
ミア :准新作?

イオリ わ、アリィちゃんも髪型変えたのですねー、かわいいー
アリアンロッド ……ありがとう

では・・・お願いしますね

ん、わかっておるよ

ティルト:皆のように・・・ティルトも少しは身なりには気を配ってもらいたいもんじゃがのぅ・・・

イオリ :ティルたん・・・?
ミリエッタ:…え…?ティルトさん…?
イルマ :o0(あれ?
コハク :……ん?
ロウフル :ん?今のは?
ユキナ :あ・・・今の声は・・・?
510 :おや?
アリアンロッド:……

会話の流れに自然に乗ったつもりだったが見事に注目を集めてしまった

ティルト :ん、ごきげんよう

いつもと変わらぬ挨拶を交わす

イオリ :こんばんは、お久しぶりですねー
コハク :……やっと帰ってきたかァ
510 :久しく聞いてない口調ですね…えぇ、お久しぶりです、ミュラさん
アリアンロッド:…ティルト…いや、ミュラ殿と呼べば良いのか?
ロウフル   :だな・・・帰ってきた、か
ミリエッタ  :ミュラさん…ミュラさんなんですねっ?!
アネモネ   :お久しぶり、と言えば良いのかしら
シャロン   :もう逢えないのかと思ってました…よかったです…♪
イオリ   :これでも心配してたんですからねー?
ティルト   :それは・・・すまなかったのぅ

早速イオリには抱きつかれユキナはその様子を涙汲んで目つめている

ティルト :こ、これ・・・いきなり抱きつかんでもよかろうに
コハク :よく帰ってきたなァ おかえり、ミュラ
ロウフル :まぁ、しばらくぶりだからなー、甘んじでうけとくんだぜ
ティルト :まぁ戻ってきたというか、のぅ・・・
アネモネ :やはり、どこか近くに居たりしました?
510 :しかし、戻ってこれたのですね…この間は一体何を?
ティルト :先日からおったぞ?
ユキナ  :あ・・・そ・・・その・・・あの・・・
イオリ :先日から・・・?
510 :おや、昨日?
ティルト :ティルトと少し会話はしておったが・・・どうにもまとまらんくてのぅ
イオリ :まとまらない?
ロウフル :なんだ、あの時のこと気にしてた、とか?
ティルト :そりゃのぅ・・・今日は皆にあの時の詫びをいれにきたのじゃ
コハク :…だいぶ派手にやってくれたからなァ 言いてぇことは山ほどあんだが
ティルト :コハクは前回のでチャラじゃぞ?
ユキナ  :侘び・・・るなんて・・・そんな・・・
510 :詫び、ですか…まぁ、最早今更という状態なわけですが
ティルト :ゴトーもすまなかったな
コハク :そう言うと思ったぜ…別に、なんか要求するつもりでもなかったけどよ
ティルト :ずいぶん無茶、しよったろうに
アリアンロッド:………当事者の身ではあらん故、とやかく言うつもりは無いが…
510 :えぇ、まぁそれ相応に…
ティルト :ロウもチャラにしてもらいたいが・・・だめかのぅ?
アネモネ :その時その場に居たのはマイブラザーですが、ティルトさん…いえ、ミュラさん大暴れしたそうですね
ロウフル :ふむ・・・
ティルト :アリィやアネ殿には・・・身内に大きな迷惑をかけてしまったからのぅ
アリアンロッド:………よもや別れの挨拶をするためだけに、御身は今戻ってきたのではあるまいなぁ…?

アリィの鋭い言葉が突き刺さる

ティルト :・・・アリィよ
アリアンロッド:……
ティルト :人は死んだら終りじゃ、妾がいつまでも生きる事を考え直したティルトの体にいるわけにはいかん、そうはおもわんか?
アリアンロッド:……思わぬよ
ロウフル :だから自分は消えると・・・そうすりゃ丸く収まると?
アネモネ :かつて死んだからと言って、今生きていないとは言えないのではないでしょうか
アリアンロッド:……如何なる理由はあれど、御身は今ここに居る
510 :まぁ、一理はあるが納得はできませんよ
アリアンロッド:……生きているではないか、貴女は
ユキナ  :そんなの・・・収まるわけ・・・ないじゃないですか・・・!

ユキナがそういって優しく抱きしめてくる
こんな感情的なユキナを見るのも珍しく気持ちが揺らいでしまう

コハク   :それを決めるのはお前さんとティルトだろう、とやかく言うつもりはねぇがそれでチャラにするつもりなら、ちと納得できねぇなァ
イルマ   :え、えっと、あたしはC隊に入ってすぐにあんなことになって…だから、どちらかと言えばティルトさんの方が馴染みはあります
       でも、ミュラさんのことも・・・もっと知りたいです! 仲良くなりたいと思います!
ティルト   :む・・・ずいぶんまっすぐにいいよるのぅ
イオリ   :ふふっ、ティルたんはこういうタイプに弱いですからねー
ロウフル   :しかし、離れるのが正しい・・・ねぇ
ユキナ    :・・・。
イオリ   :いなくなっていい人なんて、いませんよ
コハク   :どうもお前さんの計画はうまくいかさそうだぜ? 少なくともここにいる奴らがティルトの説得をするとは、思えねぇなァ

完全に予想通りの展開になってしまいお手上げではあるが・・・・思考を巡らせる

510   :離れずに見守ってあげればいいものを…まぁ、言うのも野暮ですか

ロウフル :まだ納得してない顔してるなぁ・・・

そう言いながらロウフルが頭をなでる

ティルト :・・・お主になでられるのも久しいな・・・
ロウフル :離れていいときと悪いときがある、んでこれは離れちゃいかん問題だぜ
ロウフル :俺もずっと前におんなじことグリントに言われたなぁ、この、バカヤローってノリでな

ユキナ  :私達は・・・ミュラ様に此処に居てほしいのです・・・
ティルト :・・・ユキナ・・・

アネモネ :正しいかどうかは関係ありませんからね。皆が望んでいることは分かっているのでしょう?
ロウフル :ま、みんながみんなあんたが存在してほしがってるんだ
アリアンロッド :……戻ってきてしまったのが、御身の運の尽きよ

ミュラさん・・・お願いします・・・

ティルト :・・・敵わんな

ふぅ・・・っと一つ息を吐き

ティルト :・・・また厄介になるよ
イオリ :はーい、じゃあ改めてよろしくお願いしますねー
コハク :あぁ、改めておかえり、ミュラ
510 :えぇ、今後共よろしくおねがいしますよ?
ユキナ  :はい・・・
アネモネ :おかえりなさい
ロウフル :ミュラがいないとなかなか寂しいもんがあったからなぁ・・・とりあえず・・・おかえりだ、これからも頼むぜ、二人とも
イルマ :はい! よろしくお願いしますっ!
ユキナ  :おかえりなさいませ・・・ミュラ様・・・
アリアンロッド:……お帰り、だ

皆に言われるおかえり、がこれほど暖かく優しく愛おしいと感じれるのも・・・ティルトのおかげだろう

またここで新しい日々をすごせる事
自身の歩む横に大切な存在がいる事
支えてくれた仲間たちが以前のように笑顔を向けてくれる事
ティルト・ハミューだけでなく自身の心まで救われた事
魔法でも奇跡でもなんでも構わない・・・それが今こうして現実となって叶った

『ありがとう』

二つの心が初めて重なった



【中の人より】


  • 最終更新:2015-09-15 02:00:55