? Years Ago? ~深淵の者達~

「相変わらず、うちのメンバーはすごいね」
ヒエロニムスは楽しそうに言った。

「これでNo1の死神がいないのだからな。よくこのメンバーを集めたもんだ」
からくり丸も感心したように言った。

二人の目の前には死体があった。それもおびただしい数。
死体が重なりすぎて地面が見えない場所すらあった。

「一番活躍したのは惨殺丸かな?さすがだね。うちの中じゃ、もう誰もかなわないかもね」
二人の先に惨殺丸の影が見えた。足下には無数の死体がある。

「いや、奴ならかなうかも知れんぞ?激震の王牙、ならな」
からくり丸は惨殺丸の影の近くで座り込むオウガを見やって言う。座っているのは、死体の山だった。

二人の問答は続く。
「どうかな?あ、意外と凶弾のリヒャエルとかどうだろ?遠距離からの!スナイパーが本業だし」
「いや、刃物が苦手なあいつじゃかなわんだろ」

「んー、じゃあ妖艶なる依林ならどう?色仕掛けでブスッと!」
「もう知ってる間柄じゃ効かないだろ、同姓にまで効くあの色仕掛けはすごいがな」

「じゃあね、じゃあね。残香丸。闇縫の末裔だし、由緒あるよ」
「そうだな。だが真っ向から戦った場合、結果は見えているがな」

「ヘルズクロウとか」
「若いな、経験豊富な二人にそこで差を付けられてる」

ヒエロニムスは変わらない調子で言う。
「んー、後はね。名前が出てこない、けど彼ならどうだろ?」
「全員言っただろ」
「え、でも7人しか言ってないよ?」
「後二人は俺とお前だ」
「あ、そっか!」
大げさな気付いたポーズを取るヒエロニムス。
「そういうお前はどうなんだ?」
そのヒエロニムスを見ずに、からくり丸は喋る。
「僕が弱いの知ってるだろ?メンバー最弱だもん、一人も殺せないぐらい」

ヒエロニムスの発言に呆れたように答えるからくり丸。
「よく言う。お前のやり方はある意味、誰より残酷だろ」
「えー?命とったことないこの僕が?命より大切なものなんてないよ?」
「あぁ、おまえと会うまではそう思ってたな」

「そういうさ」
ヒエロニムスが顔を覗き込むようにして言う。
「機忌鬼のからくり丸様はどうなんだい?」

すこし間を置いて
「俺か?そうだな…全盛期なら死神以外に負ける気はしないな」
「キャストに全盛期とか、関係あるの?」
「身体は劣化するのさ、お前達と一緒でな」

ヒエロニムスはすこし声を落とし、
「ふうん、嫌なものだねー」
そう呟くように言う。
「何、悪いことばかりじゃないさ」
「え、なんで?」
「さて、な」
不思議がるヒエロニムスを見ずに、
からくり丸は遥か遠くを見つめていた。

  • 最終更新:2015-09-13 20:40:24