願いの行方

目が覚めると夜の帳が下りていた。
これだけ長く眠れたのはいつ以来か。

『あの夢』を見なかったおかげではないかと思う。

代わりに昨日の龍族の悲恋が心の中で引っかかっていた。
禁を破ってまで相手を慕い、その結果地の底に落ち、最後まで想いを遂げる事ができなかった・・・
なのにその龍族の最後はとても安らかな表情に満ちていた。

そんな選択をした自分を、禁を創った者を、どうして恨み・憎み・妬まないのか?
どうしてあんなにまでも安らかに最後を遂げれるのか?
死期を悟っていたのならば尚の事、地の底から飛び出す翼を持ちながら何故朽ちる事を待つだけだったのか?

そんな事を考えながら部屋を出て、気がつけばチームルームの前まで来ていた。
今日はこのままのんびり休暇を取るか
そう思いチームルームに入ると先客がいた。
同じ隊員のロウフル、ミリエッタ、マリー・・・それと小さな気配が一つ
いつものように軽い挨拶をし、周りを見て気がついた。

ティルト: っと・・・いつの間にやらウォパルから異動しておったのか・・・
ロウフル: みたいだなー
マリー:  海は錆びるからこっちのほうがええな!

ビーチでだらける予定が早速あてが外れ、思わず溜息が出る。

マリー: なんじゃ、空の上ではのんびりできぬか

空の上・・・昨日の龍族の悲恋がまた頭を過ぎる・・・

ティルト: 空の上のぅ・・・
マリー: 高いところが嫌いかえ
ミリエッタ: 高いところ、苦手ですか…?

高いところが苦手なら昨日の龍族の背に乗っての飛行、失神じゃすまんだろうに・・・

ミリエッタ: ティルトさん、最近元気ないですよ~…?どうかしたんですか…?

正規アークスに昇格し、心身とも強くなったとはいえ14歳の少女に心配されると・・・さすがに気が引けてしまう。

ティルト: ・・・ちょっと疲れてるだけじゃよ
ロウフル: だったら、元気のでるおまじないを~#頭に手を伸ばす
ミリエッタ: そう、ですか…あまり無理はしないでくださいね…
ロウフル: こうすりゃ元気でるかな~とな#ナデナデ
ティルト: ・・・くすぐったいだけじゃ

最近夢の事もありまわりに余計な心配をかけてしまっていた事に今更ながらに悔いてしまう。

マリー: …昨日のことが引っかかってでもおるんかいの?

マリーが耳元で囁く。
・・・完全に見透かされていた、という事。
抑えれぬ感情から言葉を発してしまう。

ティルト: ・・・昨日の・・・龍族の話・・・禁を破り地におちそれでも想い続け・・・
      最後まで添い遂げる事できず・・・それでも安らかに眠ることができた、か
     ・・・妾にはどうしても納得できぬ
      恨み、妬み・・・そんな感情がなぜでないのか、どうしてあんなに安らかに最後を迎えれるのか・・・
ロウフル: それは満足しちまったから、なのかねぇ・・・

思いもよらない回答がでてきた。

ティルト: 何に満足できるのか・・・?
マリー: 恨んだやも知れぬ。妬んだやも知れぬ。
     怒ったやも知れぬ。しかしなあ…
ティルト: しかし、なんじゃというのだ・・・
マリー: んにゃ。時間かのう、と。
ティルト: 尚の事安らかにねむれることなどできようはずがない!
マリー: 時を経ればのう、変わるものもある・・・かの者たちも、それは苦しんだであろうよ。
ティルト: ・・・・
マリー: いかほどの時を経たのか、儂は知らぬけども
ティルト: 時を経ても・・・消えぬものもあるっ・・・
マリー: ま、そうじゃろうな。儂のはまぁ、一般論じゃ、ぶっちゃけ。

二人の回答にまったく理解できず苛立ちを覚えてしまう。

マリー: なんで、身も蓋もなく言うたら、そこはお主次第ってことになるんじゃけども…
     お主が何に苦しんどるのか、儂はこれっぱかしも知らぬから、まぁ言えることと言えぬことはあるが。

苦しむ?何故?

マリー: それが己一人で解けぬ問題であるなら・・・一人でただ抱えておってもなんも進まぬぞ?

抱える?何を?

マリー: 望むことがあるなら、欲するところがあるなら、足掻かねばならぬ

<それが君の願いかい?>
あの夢の中の言葉・・・そうだ・・・夢の中でアレは自分に・・・

ティルト: 望む・・・願い・・・
      妾の・・・願い・・・

抑えようの無い負の感情が体の底から沸いてくる。
自身の中で警笛を鳴らすも止める術も無く・・・ただイヤリングがあの時と同じく真っ黒に染まっていく。

ロウフル: あ・・・まずっ、イヤリングが黒く!
ティルト: ・・・願い・・・
ミリエッタ: ロウフルさん…?あのイヤリングが、どうかしたんですか…?
ロウフル: おいティル、一旦深呼吸して落ち着け、ゆっくりな
ティルト: ・・・憎い・・・全て・・・憎い・・・

全て?いや・・・違う

ティルト: 自分が・・・憎い・・・
ロウフル: っ・・・あんときとおんなじ状況
マリー: …しっかりせえよ、お主
ティルト: だから・・・妾は・・・願い、を・・・

そう呟いたときイヤリングが左右共に粉々に砕け、糸の切れた人形のようにその場に倒れこんだ。

ミリエッタ: きゃっ…!?ティルトさん…?!
ロウフル: ・・・くだ、けた?
マリー: …おい?
ロウフル: おい、ティル!?しっかりしろ!おい!
ミリエッタ: 一体、何が…!?ティルトさん?ティルトさん…!!

皆の声が聞こえる・・・大丈夫、その一言も言えず意識は闇の中に落ちていった。

【side:QB】

  
白い犬を宙に投げ、力を込め木っ端微塵にする・・・心の底から快感が込み上げてくる。

ゼルダ:  あらまっ
ロウフル: ・・・おいおい、そこまでやっちまっていいのか?
ミリエッタ: わ…!?マグが…!?
グリム:  あばよ宇宙人の旦那ァ
ティルト: くっくっく・・・
グリム:  で、ご無事ですかァ?
ゼルダ:  て、ティルトさん…

気がつけばイオリもいる・・・ずいぶん人が集まっていたようだ

ティルト: あぁ・・・こんなに目覚めの良いのも久しぶりじゃ
グリム: おはようございまァす!
ティルト: 今ならいおりんの部屋でお泊りしてもうなされんじゃろうなぁ

そう、もうあの夢を見ることはないだろう。

ティルト: そこの客人もいらぬ心配をかけたな
グリム: 部外者の旦那ァ、お気遣いどうもォ
マリー: どれ。儂が分かるかい、ティルトよ
ゼルダ: だ、大丈夫?
ティルト: あぁあぁわかるぞ?300歳のマリーじゃろ?
マリー: 惜しいのう。300+50+αじゃ
ティルト: 若くみたててやったのにのぅ

なんともいつものやり取りがたまらなく楽しい。
・・・しかしまだ不安を浮かべた目で見る者もいるし、いきなり頬をつねって来る者もいる。

ティルト: ん~?なんじゃ~?ひねりかえすぞ~?
イオリ: どうぞー?

わかってはいたがイオリは相手の変化にとても敏感だ。
こうなると非常にやり難い・・・当たり障り無い無難な回答の難易度が一気に上がる。

ティルト: あの白犬がずいぶんぺらぺらしゃべりよったのぅ何から話そうか・・・
イオリ:  何があったのかをお話してほしいですー、来たばっかりで何が何やらなのでー
ティルト: ふむ・・・そうじゃな、大好きないおりんにはいわんとのぅ

茶化しても無駄でも辛気臭く話したくはかかった。

ティルト: 全て思い出した・・・いや、認識した、というべきか
      妾はミュラ・・・ミュラ=ラピス
ゼルダ: んん…?
グリム:  ・・・ラピス?
イオリ: 知ってるのですかー?
グリム:  いやァ、知り合いがそういう名前でェ
ティルト: 惑星コーラルに生まれ移住調査の行われていた惑星ラグオルで侵食にあい体を失った
イオリ:   oO(体を、ってどういう意味だろう・・・?)
マリー: …聞かぬ名前じゃなぁ
ミリエッタ: "コーラル…?ラグオル…?聞いた事の無い惑星です…"
ロウフル: そこまでが、前に言ってた記憶のことか
ティルト: ん、そう思ってもらって良い
グリム:  ん?つまり、ですよォ?今まで話してたのはミュラさん、って事で合ってますかァ?
ティルト: うむ、あっている
グリム:  ふーむ、ふむ・・・
イオリ:  「ティルトさん」はどうなったのですかー?
ティルト: そもそもティルトとやらは元より知らぬ
ゼルダ:  んま…名前なんて記号でしかないしね…
グリム:  そーそ、そんなモンでさァ
ティルト: 皆とあったとき、その時からミュラというわけじゃな
グリム:  なァるほど
ゼルダ:  えぇ、そうみたいね…
イオリ:  えっと、ミュラさんがティルトさんの中に入って記憶を失ってしまい、その後私たちと会ったってことかしらー?
ゼルダ:  私達の知ってる「ティルト」さんは最初から記憶を失ってた「ミュラ」さんらしいわ
ティルト: うむ、そうなるのぅ
イオリ:  さっきのマグが宇宙人さん? そのお話っていうのはー?
ゼルダ:  シロミミのマグらしきものは…なんか望みとかなんとか言ってたわねぇ…
グリム:  叶える術が揃ってる、ともォ?
ティルト: ・・・さぁのぅ、意識の無い状態で望みがどーのといわれても妾はおぼえとらんわ
ゼルダ:  まぁ…様子を見ると…今のティルトさんからは何も聞きだせそうにないわねぇ
ロウフル: ふむ・・・そういうもん、かねぇ
グリム:  宇宙人の旦那ァ、本人が知ってるような口振りでしたが、そういう事ならァ

あの願いを・・・経緯はどうあれあの願いを知られるのだけは避けねばならない。
この様子なら知られずに流せるだろう・・・一人を除いて・・・

ティルト: 妾がもってるのはミュラとして・・・25年生きてきた記憶、そしてここで皆と過ごした記憶、それだけじゃ
グリム:  ふウん・・・
ロウフル: ・・・そっか
マリー: 自称宇宙人の言うには、お主は何かを願い、それに従うてここへ連れてきたと
ゼルダ:  何にせよ本人の口から「言えない」のは仕方ないわねぇ
ティルト: ふふっ宇宙人なんかより妾を信じてくれると嬉しいのぅ
マリー: その点については思い出せぬのじゃな?
ティルト: あぁ思い出せぬな
マリー: そうか
ミラージュ: ・・・本人の望む結果して起こったわけでもないと思う
グリム:  まァ、そうなんですがァ
ティルト: うむ、そういうことじゃな・・・客人よ

見逃してくれそうに無い者がさっきから顔を覗き込んでくる。

ティルト: ・・・先ほどからいおりん・・・何か妾の顔についてるのか?
イオリ:  いいえ、何もー?
ティルト: まぁ・・・今まで心配してくれた皆にはすまなかったのぅ
イオリ:  ティルたんはポーカーフェイスが得意ですよねー
ロウフル: 全く、だな・・・
イオリ: でも、気づいてますか?
ティルト: ポーカーフェイスも何もこれが自然の状態じゃぞ?
イオリ:  ティルたん、隠し事は苦手みたいですよー?
ティルト: 隠し事か?・・・なんのことやら♪
マリー: あんましほじくり返したくないんじゃけど・・・儂と話をしておってこうなったのは分かっておるよなぁ?
イオリ:  マリーさんとお話してたのですねー
ティルト: 以前話をした事もあるが・・・妾にも想いを募らせてる人がおった
イオリ:  ええ、聞きましたねー
ティルト: 昨日の龍族の話を聞いて・・・納得できなかった要員はそれじゃ
ゼルダ:  納得できなかった…?
ティルト: 安らかに眠りに付いたゴ・エンのことじゃ
ゼルダ:  あぁ…あの龍ね
ティルト: 妾も想いを遂げる事ができなかったからのぅそれで・・・何故あそこまであの龍は安らかに眠れたのか
ゼルダ:  …そう、ね…でも彼は満足してたわ
ティルト: ・・・また満足、か・・・

どうして満足がいくのか・・・皆が口を揃えて出す回答に納得ができない。

ティルト: 皆、そういうのじゃな
マリー: 結論だけ言えばそうなるからの・・・肝心なのは過程じゃけど
ゼルダ:  まあ 私も同じ立場だったら…満足できないけどねぇ
ミラージュ: ・・・悩み、思考することが、解決につながるとは限らない。感情においては尚の事
イオリ:  私は、彼が満足したとは思ってないですけどねー
ゼルダ:  ウフフ ティルトさんは完ぺき主義のほしがり屋さんなのね
ティルト: ん・・・そうかもしれんな
イオリ:  そんな話をしてて、どうなったのでしょうかー
ロウフル: そのあとは・・・
ゼルダ:   。0(ふむ…それと望み…関係あるのかしら
ティルト: 意識が遠のいた、が・・・
ロウフル: てことは、あの状態で口走ったことは覚えてない・・・か
ティルト: ん?なんのことじゃ?

マリーがロウフルを睨む。
・・・ある程度察しはついていたが恐らく『腐った根』がまた出たんだろう。

ゼルダ:  倒れたときに何かいってたの?
ロウフル: ・・・あぁ
ロウフル: ずっと前のあの時みたいに。憎い、憎いってな・・・

まぁ・・・わかってはいた。
そうやって周りの人間を敵視し、大好きな人しか視界にいれず自分を偽って生きてきた。

マリー: …ロウフル…
ロウフル: でも!何かあってからじゃおせぇだろ!現に今回だって後手にまわっちまってる!
ティルト: マリー、いいんじゃ・・・もう、全て認識しておるからのぅ妾が根の腐った者ということも、な・・・

気がつけばかすみもいる。
この人には自身の腐ったところは見て欲しくなかった。

ティルト: 妾の両親は本当に素敵な親じゃった・・・もう大好きで大好きでのぅ・・・母親という存在そのものが心の拠り所であった
ミリエッタ: …ティルトさんの…ううん、ミュラさんの、お父様とお母様、ですか…
ティルト: あぁ・・・妾が葉月殿が大好きだった理由もそれじゃ
ティルト: 頭を撫でられるともう・・・舞い上がってしまってな
ミリエッタ: ハヅキさん…皆のお母さん、って感じでしたよね…
ロウフル: ・・・で、そのハヅキを傷つけたアデル、いやあんときはアランロドか
ティルト: あぁ・・・憎くてしかたなかった・・・殺してやりたかった・・・今でも納得しておらぬ・・・
ゼルダ:  あの事は…納得できるものじゃないわよね…うん
ロウフル: 俺も、だな・・・あいつは仲間を傷つけたんだからな・・・でも、ハヅキはもういいって言ってた、だったらこれ以上は・・・な
ティルト: ・・・そうじゃな
かすみ:  。o(仲間を傷つけた・・・か・・・)
ゼルダ:  それだけ聞くと…ティルトさんは優しい子ってぐらいねぇ
ティルト: 以前話した通り妾は生物学者として惑星ラグオルの生物を調べていた・・・
        そして、裏ではD型寄生細胞の実験にも加担し・・・たくさんの命を転がした・・・
ゼルダ:  ふむ…
ティルト: ふふっ・・・どうしようもなく腐った人間よ
マリー: 悔いか…
ティルト: ・・・あぁ・・・抗う力もなかった自分が・・・憎い・・・

そう、何より自分が憎かった。
自ら味方を手放し、一人で結局何もできなかった自分の無力さがたまらなく憎かった。

イオリ:  ティルたんは私のこと好きって言ってくれましたけど、私が誰かに悪口を言われたら、どう思いますかー?
ティルト: それは許せんじゃろうな
イオリ:  私も同じ気持ちですよー?
      私の大好きな人を悪く言うのはやめてください
ティルト: ・・・・わかった・・・自虐はこれで終わりにする、いおりん怒らすのも忍びないわ
ロウフル: お嬢をおこらすとこえぇからなぁ
マリー: 悔いは悔いじゃ。もはや覆らぬ・・・じゃが、同じ悔いを抱かぬ努力はできるぞ?
かすみ: そうね、過去はどうしたって変わらないものね
ロウフル: 後悔する暇があるなら今何をすべきか考えろ・・・ってな
ティルト: ・・・・そうじゃな
マリー: ま、お主のことよ、もう解っておるのじゃろうがな!
イオリ:  過去は変わらない、けど、過去をどう思うか、は変わりますものー
ゼルダ:  ああん…でも…悔いて自分を見つめなおすのは大事よ?
ティルト: うむ・・・同じ事の繰り返しはごめんじゃな

【眠り姫】


自身の願いの話から逸れ、安堵する。
一度任務に出たグリムがまた部屋に戻ってくる。
複数AIの話や女心の話題になりこれで今まで通り、自分の手放したくない『日常』を迎えることが出来る。

ティルト: 記憶がもどれば・・・世界はかわるかもしれぬ恐怖はあったが・・・妾も無事のようじゃ
マリー: 前にも云うたろ? お主はお主なんじゃよ?
グリム:  さっきの騒ぎは、一段落ー?
かすみ:  ふふ、そうね。あなたはあなた、私は私、ね
マリー: ひとまずな!
ゼルダ:  落ち着いたって感じ
かすみ:  。o(わたしは、わたし・・)
ロウフル: とりあえずは・・・だな
ティルト: あぁ・・・騒がせてすまなかったが・・・大丈夫だよ
イオリ:  そのようですー
グリム:  うんうん、それなら良かったですー
ティルト: ふふっ皆のおかげ・・・・

そう言いかけた時、端末が鳴り不用意に取り出しディスプレイを見る。
『非常連絡』
その文字が見えた途端すぐに端末をしまう。
<準備は全てすんでいるから>
胸騒ぎが喉を通って口から出そうになる。

ゼルダ:  あら?どうしたの?
ティルト: ・・・ん、いやなんでもない
ゼルダ:  え?で、でもいま非常連絡って
イオリ:  あ、見間違いじゃないですよねー
ロウフル: おねぇも見てたか、非常ってのは見えてたが・・・
ゼルダ:  だっ、だって非常用は見やすいように派手だし…

近くに居た3人には見られてしまった。
これ以上ここにいるとボロが出るだろう。

ティルト: 少し出てくるよ
グリム: 身体、大丈夫ですかー?
ロウフル: おいおい、さっき倒れたばっかりなのに大丈夫なのか?
イオリ:  私もご一緒しますー
ロウフル: ・・・不安だな、俺も行きたいとこだが
ティルト: 二人の申し出はありがたいが・・・特に問題ない事じゃ
かすみ:  え・・・どういう・・・あ、行くの?
ゼルダ: お、お仕事じゃないみたいだし…プライベートまであんまり入り込んじゃ…
ティルト: うむ!そういうことじゃ
マリー: おう…ん、そういや呼び方は今までどおりでええんかいの?
ティルト: ん・・・ティルト、でかまわんというより・・・ティルトで過ごすしかないからのぅ
マリー: おぅ。んじゃティルトよ。お主には、帰るところがあるぞ。還るところではのうて、な。
グリム:  うんうんーお話出来なくなったら、寂しいですからー

以前アドニスにも言われた言葉、皆が自分を受け入れてくれる。
こんな魂と体があべこべなふざけた存在を仲間として迎えてくれる。
腐った自分がこれ程まで『日常』を欲したことは無かった。

マリー: それさえ忘れなんだら、まぁ、大丈夫じゃろ
ロウフル: ハァ・・・わかったよ、止めたりはしねぇけど絶対に帰ってこいよ
マリー: もし忘れたら…お主ら引きずり戻してこいよ。
ティルト: な、なんか妾がこれが戦争にでも赴くみたいな騒ぎじゃのぅ
グリム: うん、引き摺り戻すのは慣れてますからー
ロウフル: そりゃもちろんだ・・・仲間になんかあったら・・・
かすみ:  だって心配しちゃうじゃない・・・仲間だもの
イオリ:  ティルたんは何も言おうとしないんですものー
ティルト: またゆっくり茶で飲もうではないか

納得しきれてないイオリの頬を優しく撫でる。

イオリ: ・・・いってらっしゃい、お気をつけてー
ゼルダ:  まぁ…気をつけていってらっしゃい
ミリエッタ: いってらっしゃい~
グリム:  お気をつけてー
マリー: まあよい、往って来い、ティルト!
かすみ: いってらっしゃい・・・何かあったらいつでも呼ぶのよ?
ティルト: うむ!またのぅ!

笑みを浮かべて皆に手を振り部屋を出る。
端末を取り出し、内容を確認し・・・指定された場所へ向かう。

【中の人より】


  • 最終更新:2015-09-15 01:48:31