霧雨公社キャスト製造所

俺がこの製造班に回ってこれで製造された機体チェックは何体目になるだろうか
いつになってもこのシリーズの機体には緊張感が付きまとう。
ついこの間なんて生態脳がうまく機能していないのかいきなり叫び、暴れだす機体も出た。
あのときは目の前の壁にキャストの拳が飛んでくるほどで本当に死ぬかと思った
破格の給金がでなければとっくに辞めているほどだ。

そんな事を考えながら俺はなれた手つきで確認作業を進める
最終チェックとしてパスワード「siana」を入力し、機体の不備がないように確認をとる。


「にしても班長、このパスワードあまりにも短すぎませんか?
「これでは何かの拍子に解除される可能性があるとおもうのですが・・・

「そのことなら大丈夫だ。
「そもそもパスワード認証待機状態にしないとそのパスワードを言ったとしても反応しないし
「それに一応の確認用パスのようなもんだしな

「確認用・・・ですか?

「あぁ。パスワードの確認が取れたとしても情報の開示はキャスト本体で判断するようになっているんだよ

「へぇなるほど。

「現在の状況と相手の身分をスキャン解析、その上で判断するようになってるらしい
「しかもこのパスワードで確認の取れる情報にも制限があるからな

「そうなんですか

「気づいていなかったのか・・・まぁそういうわけだから心配はいらん。

なら問題はないのかな、と深く考えることなく俺は思考を中断した
そしてふと気になったことが口をついて出た

「ところでこのパスワードって人の名前みたいですね

「ん?言われてみればそうだな。
「まぁ開発コードとして名前をつけたんだろうが・・・
「案外被験者の名前かも知れんな

「えぇ・・・不気味な事言わないでくださいよ

「ハッハッハ 冗談だよ。

「もぅ・・・早く終わらせて帰りましょう。俺この後デートの予定入ってるんですから

「おう。そうだな手早く済ますとするか
そう言って彼らは目の前のモニターに向かい、データの入力を再開した

  • 最終更新:2015-09-13 20:38:08