平和ないつもの時間

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「平和ないつもの時間」
      • エリーゼ・アクストン                       : 記録者
      • 数週間前                             : 日付
      • ソーン 研究区画 座標 AR-14 E-13 27-G7 エリーゼのラボ 22:32:02 : 場所、時間
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      • どこかの監視カメラの映像
      • 青緑の液体が充填されたカプセルの中、大量のコードで繋がれた少女が、浮かんでいる
      • その目の前には、薄い赤色の髪の女性

「ママー、ロナはいつまでこの中なのー?」

「まだ。もう、ちょっとだけ。まだ身体が安定しないから」

      • 女性は話しながら、端末に情報を打ち込んでいく
      • 様々な情報が表示されている端末を、女性は少し難しい顔をしながら見つめる
      • そしてまた、打ち込む。打ち込む
      • 少女=ロナは眉間にシワを寄せ、しかめっ面でそれを見つめる

「もーっ、それ、何回目か分かんないくらい聞いたよーっ!」
「おねーちゃんはずっと前から動いてるのに、ロナはずっとずーっとこの中だよっ。なんでーっ!?」

      • 女性は困った顔をしながら、それでも端末に打ち込んでいく

「ごめんなさい、ロナ。でも貴方は、特別だから・・・。しっかり、安定させないと」
「貴方の為であり、皆の為なの。・・・許してなんて言わないから、我慢して」

      • 初めて女性ロナの顔を見つめる、申し訳なさともどかしさを滲ませながら

「むー・・・そんな顔しないで、ロナ、我慢するから」

      • ロナは申し訳なさそうな顔をし、少し置いて微笑んだ
      • 女性も同じように微笑み、また端末に打ち込み始める
      • 解像度が低いせいで何を打ち込んでいるかは分からない

「そろそろ、あの子が帰ってくる時間ね」

      • 不意に女性が口を開くと、ロナは満面の笑みを浮かべる

「おねーちゃんが!もうそんな時間なんだ!」

      • やった!と何度も叫ぶロナ

「あんまりはしゃいではダメよ?」

      • 苦笑いを浮かべる女性
      • 扉のロックが解除される音が聞こえ、奥から小さなキャストの女性が現れる

「戻りました・・・」

「おねーちゃーんっ!」

「おかえりなさい、アラネア」

      • 小さなキャストの女性=アラネアは、女性の横まで来る

「お仕事、大丈夫だった?」

      • 心配そうに見る女性に、アラネアはぎこちなく微笑む

「はい、大丈夫、でした・・・。結構、大変です、けど・・・」

      • ぎこちなく喋るアラネアと、胸を撫で下ろす女性

「良かった・・・、安心したわ・・・」

      • アラネアを撫でる女性
      • 嬉しそうに微笑むアラネア

「むーーーー」

      • それを羨ましそうに見つめた後、不機嫌そうな声を出すロナ
      • ハッとしつつ、名残惜しそうに女性から離れるアラネア

「あらあら・・・ふふ、ごめんなさいね。貴方も出てきたら、一杯愛してあげるからね、ロナ」

      • 苦笑した後、しっかりとロナを見つめ、微笑む女性

「約束だよっ、約束だからね!ママっ」

「ええ、約束よ」

      • 微笑む女性と、元気にはしゃぐロナ

「あっ、おねーちゃんっ!お仕事の話してーっ、前の続きー!」

      • 端末に打ち込み終えて、伸びをする女性。一歩引くと、アラネアロナの目の前まで歩いてくる

「・・・いいですか?」

      • 確認するように女性の方を見るアラネア

「メンテナンスは少し先、準備が出来たら呼ぶから、ロナにお話を聞かせてあげて」

      • それだけ言い、女性は部屋から出て行く
      • 目を輝かせながらアラネアの方を見るロナ

「それじゃあ・・・ええと、どこまでお話したかな?」

「前はねっ、前はねっ!ゆる?ってシップに行ったトコまで!」

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  • 最終更新:2016-04-28 03:51:09