ロウフルst2-0 葛藤の始まり

それはある日の出来事だった。

タナトス あ、いたいた
ロウフル おう、らっしゃいだぜ

その日は別の部隊の隊員であるタナトスが部屋に訪れ、新たなテクニックを覚えることが出来た事を
上機嫌で話してくれた。

ロウフル まぁ立ち話もなんだし、座るか?

タナトス じゃあ少しだけ・・・あ

ロウフル ん?

タナトス 嬉しくて・・・・手ぶらできちゃった

ロウフル いいんだぜー、いつももらってばっかりじゃ悪いしな

そう、あの日の夜食の他にも何度か差し入れを貰ったりもしたし
誕生日には豪勢なディナーまで用意してくれた。
こちらからはまだお返しをしていないにも関わらず・・・
どんなお返しをすれば良いのか考えていたら、横に座っていた彼女が唐突に口を開いた。

タナトス 私やっぱり、好きかもしれない・・・
ロウフル 好き、ねぇ・・・
タナトス でも、ね・・・なんていうか・・・・
     ロウフルは、みんなのロウフルでいてほしい。そういう気持ちがすごく強いの
ロウフル そっか・・・
タナトス 過去になにがあったかは聞かないけど、絆を大切にしてるなら 
     今の関係でも十分私は楽しいし・・・嬉しいから

そして彼女は笑顔で手を差し出た

タナトス だから、これからもよろしくねっ!!
ロウフル あぁ、これからも変わらずに、だな

差し出された手を俺は握り返した・・・しかし握り返して気がついた、彼女が無理をしているのではないかと

タナトス でも、自分も大切にしてね
ロウフル まぁ、なんだ・・・俺はいいんだぜ、それより・・・

彼女の顔を見た、その顔は笑顔だった、だが・・・目には涙が溜まりつつあった。

タナトス え・・・・あ・・・・や、やだ、悲しいわけじゃないのに・・・・あれ・・・・
ロウフル ・・・ハァー、やっぱこうなるんだよな

そんな彼女を抱き寄せ、優しく抱きしめると・・・泣いてしまった。

タナトス ほんとうは・・・・ずっとあまえたかった・・・の。でも・・・・
     大丈夫だから、このままでもだいじょう・・・ひっく
ロウフル そんな顔して大丈夫なんて言われてもな・・・それに、甘えたいならいつでも甘えてくれていいのに
タナトス だって・・・・ロウフルの気持ち大切に・・・・したいからだからっ
ロウフル 俺の気持ちを・・・か
タナトス うん・・・・

俺の気持ちはどうなのか・・・そう言われて俺は迷ってしまった。

ロウフル ・・・この場合、どっちが正しいんだろうな
タナトス ロウフルが納得できるようにしていいから・・・・ね

そして、納得という言葉でさらに迷いが大きくなった。彼女が悲しむ事を俺は納得できるはずがない、しかし・・・

ロウフル 愛なんてもんは仲間同士で争う原因になるもんだ、だからそんなものはいらないと思ってる
タナトス ・・・争う
ロウフル あぁ・・・俺に好意を寄せたやつらがいてな・・・どっちも俺が好きだ好きだといってきた。
     しかも、どっちも振ったりしたらこの世の終わりみたいな感じになりそうな、そんな感じなやつらだった。
     そんな二人が、俺を取り合って武器まで使って争った・・・

仲間が争うぐらいだったら愛なんていらない、そう思うようになった原因となる出来事を彼女に話した。

タナトス 好きって感情があっても、それは強要するものじゃないし、求めるのが当然じゃない・・・・と思う
     「両思いになれなきゃ、幸せになれない」と彼女たちは思ったんじゃないかな。私はそう思わないけどね。

そしてそれを聞いた彼女の答えを黙って聞いた。

タナトス 私は色々な人が好き。仲間も友達も・・・・一緒に育ったモロスも・・・
     嫌われたり嫌いになったらお互いツンケンするだけだし、
     片方が好きって気持ちでいて・・・・それを受け止めるほうは自分の気持ちに素直になって
     それに応えれるのがいいと思うんだ。
     ありのままの姿が好きだから、気持ちに偽って応えられたらきっと悲しいし・・・・それに嫌だ

彼女は、気持ちを偽られるぐらいなら正直な答えを言って欲しいと言った。

ロウフル でも、その応えで・・・タナトスが、仲間が傷ついたとしても、か?
タナトス 例えばどんな風に傷つくかもしれないって思うの?
ロウフル そうだな・・・好意を寄せていたのにそれが無駄になったりする・・・なんというか、喪失感、みたいな
タナトス 無駄になったりしないよ。絶対にね
     悲しいこともさみしいことも嬉しいことも 
     ぜーーーーんぶ自分の糧になるから・・・・

たとえそれがどんな返答であろうとも、彼女は受け止める、と胸を張って言った。

ロウフル ・・・強いな
タナトス ん、私も強くなったかも。ふふっ

その姿が、まぶしく、力強く見えた。

タナトス ひとりで無理をしなくてもいいから・・・他の仲間もいるんだから、
     ひとりが相手できないならできるひとがする。
     悔いがないように、生きていたい・・・・。弱いから・・・だからそう思うんだ

ロウフル 悔いがないように・・・か、だったら・・・

その先は言えなかった・・・言えば、どんなことでも受け止めると言った彼女の思いを侮辱すると感じたから。

ロウフル ・・・いや、なんでもない
タナトス ロウフルは・・・優しいから・・・・
ロウフル そりゃな、仲間には優しいぞ、俺は
タナトス それにエロいしね・・・くすくす
ロウフル それはあれだ、演技だよ、演技。俺は仲間には優しくしちまう
     でもそれだと好意を寄せられるかもしれない、
     だから色目を使って相殺してるんだよ
     ・・・あの一件以来、そういう感情がすっぽりとなくなっちまったからな
タナトス そっか・・・・つらかったね

そう言われ、俺は彼女に優しく抱きしめられた。
だが、何が辛いのかが俺には分からなかった・・・辛いと思ってすらいなかった。

ロウフル ・・・辛くはねぇさ、これも仲間のためだしな、それよりも、悪かったな・・・なんか騙してたみたいで
タナトス ん?だます??
ロウフル ほら、前に「水着がいい!」とか言ってた時の話だよ
タナトス ん?私ひとつもだまされた!!って思ってないけど?それにあの時も楽しかったよ、それじゃだめ??
     ・・・あ、もちろんロウフルの恋愛対象が女性じゃないなら、それはそれで応援するよ?

ロウフル あのなー、男性に興味なんかこれっぽっちもねぇからな!?
     男性と女性どっちがいいとか言われたら女性のほうがまだいいぜ

タナトス ・・・わ、わたしも・・・い、いちおう私だって
     ・・・・ちゃんと・・・えと・・・その・・・・
 
と、彼女は顔を真っ赤にして何かを呟いた。
が、だんだん声が小さくなっていったため、あまり聞き取れなかった。

タナトス と、とにかく・・・
ロウフル とにかく?
タナトス 新しい好きって気持ちでいることができるから・・・ありがとう

そういって、にこやかに微笑んだ・・・さっきの時とは違い、穏やかな表情で
その顔を見て、これで本当に良かったのだろうかという気持ちに苛まれる・・・

タナトス もちろん、ロウフルが 私を指名してくれたら、それに応えるかもしれないし
     違う相手がいるかもしれない、それは誰にもわからないことだから
     今、こうしていかなきゃいけないってことはないんだよ??
     それに私は逃げたり隠れたりだけはしないからね
ロウフル ・・・そうだな、急ぎすぎてもいいことはないからな、
     でも、俺的には俺なんかにひっかからずに
     タナトスをしっかり見て守ってくれるようなヤツと結ばれてほしいとこ、だな

そうおどけて返した、この動揺を気づかれないように

タナトス 「今この答えだして後悔しないか?俺?」って顔してるよ?
ロウフル  ・・・

だが、彼女にはお見通しだったようだ・・・

タナトス なら おじいちゃんになるまで考えなさいっ!!
     私は今の関係のままでもいいし、新しい関係になっても・・・どっちでも自分が納得できるよ?
ロウフル 俺も、だな・・・そっちが求めるんだったら、俺はその声に応える、でも・・・
     俺は、好意に応えるができない・・・仲間は全員平等にあつかっちまうからな
     そんな空っぽなもんでもいいっていうなら、応えることができる。
タナトス 空なんかじゃないよ・・・
     ロウフルがいつも本音でいたいように・・・私も仲間に対して・・・・
     自分が・・・好意をもつひとにも・・・平等だと思う
     自分の素直な気持ちでいて・・・それで私はロウフルと繋がっていたいから
     だから・・・一人で抱え込まないで・・・一緒に考えていこう?
ロウフル ・・・大丈夫だよ、頼るときは頼ってるから、な
タナトス うん、存分に頼ってほしいな・・・た、頼りになるかどうかは不安だけど・・・はは・・・
     あ、料理と外科手術は頼って!!それは自信あるもの
ロウフル そりゃいい、だったら大怪我したりした時は遠慮なく頼らせてもらうかもな~

そう言ってお互いにケラケラと笑いあった後、一呼吸おいて彼女はお礼の言葉を言った

タナトス ありがとうロウフル・・・・気持ち聞かせてくれて
ロウフル お礼なんて言われるようなことしたかねぇ俺

タナトス うん、嬉しかったよ。ロウフルが思ってる気持ちを確認できて
     ・・・ごめんね、寝ようってときに
ロウフル いいんだぜ、そんなに気にしなくて
     タナトスがここに来るってことは寂しいって証拠だ
     その寂しさを紛らせるんだったらこっちも嬉しいしな
タナトス え?さみしいときだけじゃないよ
     今日すっごく嬉しくてとんできちゃったんだもん、今日はいいことずくめだったんだよ
     いちばんは・・・こうやってどうどうとロウフルに・・・・・えへ

といって、彼女はこちらに抱きついてきたが、イベント尽くしの1日だったのか、少し眠そうな顔をしていた。
かなり疲れてるように見えたため、「今日は泊まるか?」と聞いたら「そうする」と返事が帰ってきたので寝室で一緒に寝ることとなった。

若干、胸にもやもやを残して・・・

  • 最終更新:2015-09-15 23:51:35