イオリst3「健やかな人間関係」

ロウフルさんの場合



イオリ「あ、そうだ、ロウフルさんー。あとで少しお時間いただけますかー? お話したいことがありますのでー」
ロウフル「おう、了解だぜ~」

ロウフルさんが到着。

イオリ「いらっしゃいー」
ロウフル「うっす、おじゃまするぜ~」
イオリ「おかけくださいー」
ロウフル「おう、んじゃ失礼するぜ。で?なにか相談があるのか~?」
イオリ「えっと・・・お話なのですが・・・ロウフルさんに、謝ろうと思ってー」
ロウフル「俺に?」
イオリ「これまで、私はあなたを幾度となくいじめていましたからー。そのうちの何度かは、きっと嫌な思いもされていたかと思いましたのでー」
ロウフル「・・・・なんだ、そんなことでかよ~」
イオリ「いいえ、そんなことではありませんよ」
ロウフル「ハッハッハ、そんな程度で折れるほどヤワじゃないんだぜ」
イオリ「今は、ロウフルさんの厚意に私が一方的に乗っかってしまっています。これでは、健全な関係とは到底言えないと気づいたのです。だから、今までの非礼をお詫びします、ごめんなさい」

ロウフルさんに向かって、深く頭を下げる。

ロウフル「・・・ヤレヤレ、そんなに頭をさげんでもいいんだぜ」
イオリ「私なりのけじめというか・・・しっかり謝って、今後の関係を見なおしていかないといけないなと思ったのですよー」
ロウフル「今後の関係ねぇ・・・」
イオリ「だから、ロウフルさんをいじめるのも控えるようにしますー」
ロウフル「そりゃまたさびしくなっちまうな~。コホン」
イオリ「ふふ、ごめんなさいー。お話は以上です、ロウフルさんのほうから言いたいこととかがあればお聞きしますがー」
ロウフル「まぁでも、俺はおせっかいを焼くのが好きな野郎だからな~。俺とワイワイしたいってときは、遠慮なく来て欲しいんだぜ。それに、俺はさびしくなったら死んじゃうし?」
イオリ「・・・ふふ、ありがとう。ふふふ、じゃあロウフルさんに嫌な思いをさせないレベルで、いじめられるようにがんばってみますねー」
ロウフル「ハッハッハ、今のままでも嫌な思いをしたなんてないし、このままでも構わんのだがな」
イオリ「・・・今までがそうでも、これからもそうとは限りませんから。エスカレートすることも考えられますし」
ロウフル「確かに、そういうことももしかしたら・・・か」
イオリ「だから、私のわがままに付き合わせる形になっちゃいますけど・・・改めて、よろしくお願いしますね」
ロウフル「・・・それがお嬢の判断だっていうなら俺はなにも言わないさ」
イオリ「・・・ありがとう」
ロウフル「/mn15 まぁ、いじりたーくなったら思いっきりいじっても構わんぜ、我慢はよくないからな」
イオリ「ふふ、そうさせてもらうかもしれませんー」
ロウフル「ハッハッハ、そん時は遠慮なくだぜ~?」
イオリ「ええ、ありがとうございますー。お話は以上です、お時間ありがとうございましたー」
ロウフル「おう、スッキリできたか~?」
イオリ「すぐに、とはいきませんけどね」
ロウフル「・・・そっか」
イオリ「心は軽くなりましたよ、ありがとうございますー」
ロウフル「そかそか、そりゃよかったぜ。んじゃ、またなんかあったら相談してくれよ?」
イオリ「ええ、そうさせていただきますー」
ロウフル「おう!」
ロウフル「/mn15 んじゃ、おじゃましましたーっと」
イオリ「ええ、またいつでもどうぞー」







ルークさんの場合



イオリ「あ、ルークさん、」
ルーク「ん?」
イオリ「別件で大事なお話をしたいのですけど、お時間いただけますかー?」
ルーク「ふむ? 構わないぞ」
イオリ「じゃあ私のお部屋にお願いしますー」

ルークさんが到着。

イオリ「いらっしゃいー」
ルーク「やあ」
イオリ「どうぞ、おかけくださいー」
ルーク「ああ、失礼するよ」
イオリ「それでお話なのですが、ルークさんに謝ろうと思ってー」
ルーク「ん、何の事だ?」
イオリ「いじることについて、でしょうかー」
ルーク「ああ・・・」
イオリ「少し、度が過ぎていたようにも思ったのでー。嫌な思いをさせてしまったと思います、ごめんなさい」

ルークさんに向かって、深く頭を下げる。

ルーク「改まって謝罪されると少し困るな・・・」
イオリ「そうですね、ちょっと困らせちゃうかもですー。ただ、これは必要なけじめかなとも思ったのでー」
ルーク「けじめ、か」
イオリ「今の関係は、一方的にルークさんの厚意に甘えて成り立っていますから。健全な関係とは、到底言えないでしょう? 気づいてしまったら、直したいと思いましたのでー」
ルーク「そうかも知れない、が。何だろうな」
イオリ「はい?」
ルーク「イオリが自分で直したいと言って来ているのに、その必要はない、と言うのは無粋すぎるな」
イオリ「ふふ・・・実は、ロウフルさんにも似たようなことを言われましたー」
ルーク「そうか」
イオリ「ただ、一度見直してみるときなのかもな、とも思っていますー。今までは大丈夫だったからといって、これからも大丈夫な保証はありませんからー。エスカレートしちゃうことも考えられますしー」
ルーク「自制は必要か」
イオリ「ええ、そう思いますー。何よりも、そういう関係が続いていると、嫌だなと思っても言いにくくなっちゃいますでしょう?」
ルーク「そう言う事もあるのかも知れない、ただ俺には良く分からないな・・・だが、イオリが自分を変えていきたいと言うのなら俺が止める様な事でもない。取り敢えずだ」
イオリ「はい?」
ルーク「・・・座ってくれないか?」
イオリ「あ、は、はいー」
ルーク「話を戻そうか」
イオリ「はい」
ルーク「さっきの謝罪は気持の整理のためのものとして受け取っておく」
イオリ「はい、ありがとうございますー」
ルーク「自分を変えるのは大いに結構だと思う、が、無理をしない程度にな?」
イオリ「ええ、ありがとうございますー。でも・・・無理なところなんてないと思いますよー、きっと」
ルーク「どうだろうな・・・、世の中には変われる気がしない奴は確かに存在している」

私が何も言えないでいると、ルークさんはその言葉を引っ込めてしまう。
なんとなく、だけど・・・「その人」は助けを求めているように感じてしまった。

ルーク「イオリには関係の無い話だったな、すまない、忘れてくれ」
イオリ「・・・」
ルーク「少しずつ変わって、何かあれば周りに相談すれば良いんじゃないかな」
イオリ「ええ、そうしますー」
ルーク「自分一人だけの力では簡単には変われないだろう、必要なら俺も微力を尽くすさ」
イオリ「ありがとうございます、必要なときにはぜひお願いしますねー」
ルーク「ああ、出来る範囲ならな」
イオリ「お話したかったのは以上ですけど、ルークさんから言っておきたいこととかありますかー?」
ルーク「そうだな、一言だけ」
ルーク「応援しているぞ、変われなかった奴の分まで良い方向に変わってくれ。一言じゃなかったな」
イオリ「ふふ、ありがとうございますー。・・・変われなかった人が、変わりたいと思ったときには、私のほうが手助けできるようになれるといいな」
ルーク「どうだろうな・・・、そう言う人種は得てして相手の好意を受け取れないからな」
イオリ「じゃあ、押し売りしないといけませんねー」
ルーク「腕の見せ所だな」
イオリ「その人のことを大事に思う人がいて、その人自身が変わりたいと思ったなら・・・きっと変われると思いますけどね、私はー」
ルーク「・・・そうかも知れないな」
イオリ「ふふ、押し売り、覚悟しておいてくださいねー」
ルーク「何故か俺に売り付ける前提になっているな」
イオリ「おっとと、そうでしたねー。そう、伝えておいてくださいねー、機会があったら」
ルーク「そうだな、押し売りしたがってる奴が居ると伝えておくよ」
ルーク「・・・ありがとう【かすれる様な小声で】」
イオリ「はい?」
ルーク「何か言ったか?」
イオリ「何か言ったのはルークさんのほうで・・・」
ルーク「きっと空耳だろう」
イオリ「・・・詮索はしないでおきましょうー」
イオリ「さて、それではお話は終わりです、お時間いただいてありがとうございますー」
ルーク「ああ、では失礼させて貰うよ。ではまたな」
イオリ「ええ、またー」







フレイさんの場合



イオリ「あ、フレイさん」
フレイ「んー?」
イオリ「お話が一段落したころでいいので、少しだけお時間いただけますかー?」
フレイ「ん? うん」
イオリ「大事なお話をしたいのでー」
フレイ「んー、まあロ…グリントには挨拶したし、今でもいいぜ。凍土帰りだから防寒具のままだけど…」
イオリ「ありがとうございます、では私のお部屋にお願いしますー」
フレイ「ん、じゃあ今行く」

フレイさんが到着。

イオリ「いらっしゃいー」
フレイ「お邪魔しますよ、っと。あったけー部屋…そういえば初めて来たなァ…」
イオリ「そういえばそうかもですねー。どうぞ、おかけくださいー」
フレイ「ああ、じゃあ失礼するな」
イオリ「それでお話なのですが、」
フレイ「うん、なにかな」
イオリ「フレイさんに謝ろうと思いましてー」
フレイ「…んー? 謝られるようなことあったか?」
イオリ「いじることについて、ですねー」
フレイ「……はあ、いじること…?」
イオリ「度が過ぎてるかな、とちょっと思ったのでー。フレイさんが嫌な思いをしてるかと思いましたので、ごめんなさい」
フレイ「……お、おう…?(首を傾げ)」

フレイさんに向かって、深く頭を下げる。

フレイ「……っと、っと、おいおい顔上げてくれ。どうしてそういう結論になったかはわからんが、なんだ、まあ少なくとも俺は、別に不快に思ったことはないぞ」
イオリ「・・・ありがとうございます、でも、今後、エスカレートして、嫌な思いをさせないとも限らないのでー。今後は少し自重しようかな、と思ったのですー。だから、そのためのけじめ、ですねー」
フレイ「……ふむ…なんだろうな、良く言えば、ちょっとオシトヤカになる…ってことになんのかな…? もちろん、イオリちゃんがそう変わりたいのであれば、俺は止めないが…」
イオリ「えーっと、そうなのかな・・・? 今は、フレイさんの厚意に一方的に乗っかっているだけですからー」
フレイ「うーん、俺の厚意に乗っかってる…かどうかは、どうだろうな」
フレイ「………そうだなあ、少し俺の話をしてもいいだろうか?」
イオリ「はい、お聞きしますー」
フレイ「………ずっと前に俺の近くにいた奴らの話なんだが、……そいつら、とんでもない奴らでな。馬鹿騒ぎして、今のイオリちゃんの弄りや悪戯なんて目じゃないくらい……その、コホン…あー、なんだ(言いにくそうに頬を掻き)………俺を玩具にしてたっつーか…」
イオリ「ふふっ。あ、ごめんなさい」
フレイ「まあ、弄り倒しに来てたわけだ、俺はものすごく拒否ったんだけどさ…いや、いいよ。やっとちゃんと笑ってくれて安心した。……さて、話を戻すとだ……そいつらは、正直俺にとっては本当に鬱陶しかった、キレたこともあるくらいだ……でも、その一方で、……色々、気を張りすぎてた俺にとって、救いになってた部分も……認めたくはないが……確かにあったんだ。あいつらのおかげで笑えてた時もあったし、辛さや痛みがまぎれたこともあった。」
イオリ「素敵なお友達だったのですねー」
フレイ「……(嫌そうな顔)……友達……」
イオリ「ふふふっ」
フレイ「………あの馬鹿どもが友達…(ぶつぶつ)……ま、まあ便宜上そういうことにしておこう…で、アークスってのもさ。皆、辛い顔は中々見せないが、過酷な環境だろ?」
イオリ「ええ、そうですねー」
フレイ「いつ人が死んでもおかしくない場所だし、嫌なことも痛いことも、辛いことも、それこそ嫌ってほどあるよな。そういう状況で、周りの人の笑顔とか、それこそイオリちゃんの悪戯とか、そういうのは、少なくない人にとって、救いにもなるんじゃないかな。」
フレイ「………えーと、…(小声で)すごい恥ずかしいこと言ったな………」
イオリ「・・・。・・・なってる、のかな・・・?」
フレイ「……そうだなあ、……俺は、イオリちゃんが俺に悪戯したときの楽しそうに笑う顔、好きだぞ? 見ると、ほっとしたりする…かな」
イオリ「・・・そう? ありがとうございますー」
フレイ「……俺よりもイオリちゃんのことが大好きな人間が、ここには沢山いるよ。チアキとか、ロウフルとか、テトちゃんとか…たくさん。そいつらも、イオリちゃんが楽しそうに笑っていれば救われる、俺も嬉しい…つまり、悪いことなんてないさ」
フレイ「……(小声で)また恥ずかしいこと言ったな……えー、えーと、まあ、なんだ、うん」

ちーちゃんも、ロウフルさんも、テトちゃんも、それにフレイさんも。
私にとって大事な・・・大好きな人たちが、私のことを好きでいてくれる。
私が笑う顔を見て、ほっとしたりしてくれる。
そう思うと胸がいっぱいになって、思わず涙がこぼれてしまい、慌てて指先で拭う。

イオリ「あ、ご、ごめんなさい・・・」
フレイ「………まあ、俺としては別に、うん、嫌だとか思ったことないから…その、気にしなくていいんじゃないかな…。…!?(ぎょっとする)……え、ちょ、す、すまん…!?(慌ててハンカチを探してポケットを探る)」

指先ではこぼれる涙に追いつかなくなり、ハンカチを取り出して、フレイさんから顔を背けるようにして抑えた。

フレイ「わ、悪い、泣かせちゃった…な……」
イオリ「い、いえ、嬉しかったもので・・・」
フレイ oO(……ルリちゃんに刺されるかもしれない…気をつけよう…)
イオリ「ごめんなさい、急に泣いたりして・・・」
フレイ「……いや、こっちこそ…」
イオリ「本当、いろんな人に大事にされてますね、私」
フレイ「……そう、だな。イオリちゃんは大切にされてるよ。誇ってもいいくらいだ」
フレイ「人から愛されるのは、簡単なことじゃない。イオリちゃんだからこそ…皆が大切にするんだ」
イオリ「・・・ありがとう」
イオリ「フレイさんに嫌な思いをさせないようにと思って、いじるのは自重しようと思ってたのですけど・・・やめちゃうと、逆に寂しい思いをさせちゃうのかもしれませんね」
フレイ「さ、さみ…? いや、…その、う、うーん…?」
イオリ「ふふ、ちょっと違ったかな? 少なくとも、それを好いてる人もいる・・・」
フレイ「ん、まあ、そう、かな。弄ること自体は悪いことじゃなくて…なんていえばいいんだろうな。心をこめる…?」
イオリ「ふふ、なんとなくわかりましたー」
フレイ「おう、ならよかった。……といっても俺だって恥ずかしいと思う気持ちはあるんだからな!?」
イオリ「ふふ、ええ、わかってますよー」
フレイ「……あと、あんまり男ナメると…。……怖い目に遭うぞ?」
イオリ「それも、一応わかってはいるつもりですけどねー・・・」

そう言う私の目を、フレイさんがじっと見つめる。
その目を見つめ返して、私には疑問符。

イオリ「?」

ローテーブルを挟んで向かい合って座るフレイさんが、手を伸ばして私の手を握り、立ち上がる。

イオリ「え・・・!? ちょっと・・フレイさん・・・?」

さらに、テーブルに膝を突いて身を乗り出し、目を見つめながら顔を近づけてぴたりと停止した。
それに対して、私は思わず顔をそむけてしまう。
フレイさんは、ぱっと手を離してソファにどすんと座り、表情を和らげて頭の後ろに手をやる。

フレイ「…………と、まあこんな風にだな」

一方の私は動機が収まらず、フレイさんから顔をそむけたまま、胸を押さえた。

フレイ「……狼野郎に捕まると、怖いぞー?(窓の外を眺めながらとぼけた声音で)」
イオリ「そ、そうみたい、ですね・・・(半ば放心したようにつぶやく)」
フレイ「男はプライドが高い生き物だからな…女の子にからかわれてると、黙っていられなく…なったりもする、かもな」
フレイ「………ちょっとやりすぎたか? スマン、大丈夫か?(イオリの顔を覗き込み)」
イオリ「(びくっと身を引く)あ、だ、大丈夫ですっ。・・・あ、ごめんなさいっ」
フレイ oO(……怖がらせちゃったか…)「ん、いや、気にすんな。俺が悪戯しちゃったわけだしな(苦笑)。ま、大丈夫だ、俺は手は出さないよ……」
イオリ「・・・フレイさんがこんな悪戯するなんて、意外ですー」
フレイ「まあそりゃなあ、俺だって男だし……やっぱりちょっと、ナメてたろ?」
イオリ「そうですね・・・そうかもですー・・・」
フレイ「/mn15 男はみんな狼、っていうくらいだからな。気をつけなよ?」
イオリ「・・・はーい、肝に銘じますー」
フレイ「うん、ならよし。」
イオリ「・・・ふふふっ」
フレイ「んー?なんだよ?」
イオリ「この隊に入ったばっかりの頃、フレイさんってお兄ちゃんみたい、って思ってて、最近はかわいい弟みたいかなーって思ってたのですけどー。でも、やっぱりお兄ちゃんでしたー」
フレイ「はは、汚名返上かな…」
イオリ「汚名でもないと思うのですけどねー、弟」
フレイ「まあ、年も近いし、イオリちゃんはしっかりしてるからなぁ…俺も時々姉のようだと思うときがあるよ。でも、まあ、それ以前に、可愛い女の子だからな」
イオリ「っ・・・」
フレイ「……おっと」
フレイ「手を出さないと言ったのに信憑性を失いそうだな、これ以上はやめとこう(にやにや)」
イオリ「・・・まったくですねー。今日はなんだかフレイさんにやられっぱなしですー。・・・そうですね、そういう関係も、いいのかもしれないですねー」
フレイ「……たまには仕返しもするさ? ……まあ、俺が手を出さないってのは本当だから、安心しなよ」
イオリ「ええ、とりあえずは信じることにしますー」
フレイ「そうそう、そっちの方が、お互い気楽だろ?(にこり)」
フレイ「……(小声)正確には出せない、んだが……」
イオリ「? 何か言いましたか?」
フレイ「いんや、何も?」
イオリ「・・・ありがとうございます、だいぶ気持ちが軽くなった気がしますー」
フレイ「ん、ならよかった。」
フレイ「急に大事な話っていうから、ちょっと驚いたぜ」
イオリ「そうですか?」
フレイ「うん、俺にとっては心当たりなかったからなぁ…」
イオリ「ああ、まあそうかもですねー」
フレイ「でも深刻そうな顔だったから、元気になってくれたならよかったよ。でも、どうしてそんな話になったんだ?」
イオリ「んー、何だったかな・・・。確か、恋話からいつの間にかそんな話になったんだったようなー・・・?」
フレイ「恋話…? どうして恋話がこうなったんだ……」
イオリ「あ、そうだ。私が男の子たちに怖がられてる気がするー、みたいな話でー。『いじりすぎてるのかも?』っていう話にー」

その言葉に、フレイさんがきょとんとする。

フレイ「……怖がられてる? イオリちゃんが?」
イオリ「うーん、よく考えると、ごく一部な気もしてきましたー。オルトくんとかロウフルさんとか?」
フレイ「……ぶっ、ふふ…くくく……いやあ…(けらけら)」
イオリ「えー? ちょっと、どうして笑うんですかー?」
フレイ「イオリちゃんを怖がってる男はいないんじゃないかなあ……怖がってるというか、それは…なんだろうな。お姉ちゃんとかお母さんに叱られるのを嫌がる男の子と同じじゃないか?」
イオリ「え・・・? そ、そうなのかな・・・?」
フレイ「オルトは実際ガキだし、わからんが、ロウフルにいたっては一種のポーズな気すらするよ」
イオリ「ポーズ、ですかー・・・」
フレイ「まあそれにロウフルの鼻の下のだらしなさは俺でも感服するからな…イオリちゃんのようにきちんと止めてやれる奴がいないと、あいつはまずいんじゃないか? くく…」
イオリ「むー・・・こんなに笑われるとは思いませんでしたー・・・」
フレイ「いやあ、だってなあ……イオリちゃんを怖がるような男はいないさ、こんな可愛い子を…おっと…まあ、気にしすぎってやつだ」
イオリ「そうだと、いいな・・・」
フレイ「男は単純だから、プライドへし折られると凹んだりもするけどな…。あと…セイアさんみたいなのはまた別の意味だが……ああいうのは流石にちょっと怖いときもある…(寒そうに腕を摩りつつ)」
イオリ「怖いですか? セイアさん。ちょっと変わったところはあるとは思いますけどー」
フレイ「う、うーん…なんていうか……身の危険を感じる……美人なんだけどな…」
イオリ「身の危険・・・?」
フレイ oO(はっ……不味い、盗聴器が仕掛けられてないとは限らない…)
イオリ「? どうかしましたかー?」
フレイ「………えーと、ほら、なんていうか、完璧すぎて高嶺の花っぽい、っていう部分もあってさ…ははは…(引き攣り笑い)」
イオリ oO(顔ひきつってるけど・・・)「なるほどー、そういうことなのですねー」
フレイ「……おっと、緊急任務だな…」
イオリ「そのようですー。あ、お話ありがとうございましたー」
フレイ「ああ、いや、礼には及ばないさ」
フレイ「イオリちゃんの悩みが晴れたならいいんだが…」
イオリ「・・・まあ、今すぐに、というわけにはいかないですけど。少なくとも、お話できてとってもよかったですー」
フレイ「ん、そっか。それならよかった。まあ、またなんかあったら………」
フレイ oO(俺に…とはちょっと言いにくいな…)
フレイ「……誰でもいいから、相談するといい」
イオリ「・・・ふふ、ええ、そうしますー」
フレイ「ん。じゃあ、あんまり女性の部屋に長居するのも気が引けるし、俺は戻るよ」
イオリ「はーい、お時間ありがとうございましたー」
フレイ「おじゃましました。またな」







ベルゼさんの場合



採掘基地防衛戦から少しして。

イオリ「あ、ベルゼさんー」
ベルゼバルト「ん?」
イオリ「少しお話したいことがあるのですけど、このあとお時間いただけますかー? 落ち着いたころでいいのでー」
ベルゼバルト「分かったよ、一息ついたら声かける」
イオリ「ありがとうございます、お願いしますー」
ベルゼバルト「うーい」

それから少しして。

ベルゼバルト「イオリー、こっちはOKだぜ」
イオリ「はーい、では私のお部屋にお願いしますー」
ベルゼバルト「よし、じゃあ部屋に行くぜ」

ベルゼさんが到着。

イオリ「いらっしゃいー」
ベルゼバルト「で、どうしたんだよ」
イオリ「ではおかけくださいー」
ベルゼバルト「ういーっ」
イオリ「それでお話なのですけど、ベルゼさんに謝ろうと思ったのですよー」
ベルゼバルト「え、なんで?」
イオリ「ちょっと、度を超えていじりすぎてるかな、とー」
ベルゼバルト「んー…」
イオリ「ベルゼさんに嫌な思いをさせる場面もあったんじゃないかと思ったのでー。なので、ごめんなさい」
ベルゼバルト「でもそれロウフルにも言えることだよなぁ」

ベルゼさんに向かって、深く頭を下げる。

ベルゼバルト「/mn1 ……お、おいっ」
イオリ「ロウフルさんにもお話しましたー」
ベルゼバルト「/mn1 別にそんな頭下げなくてもだな……っ。ん、そっか……。嫌な思い、か。でもそれ特別オレに限った話じゃないぜ」
イオリ「ええ、そうですねー」
ベルゼバルト「しっかしさぁ」
イオリ「はい?」
ベルゼバルト「そんな深々と謝られるほど不快な思いはしてないんだけどなァ……。」
イオリ「今のところは、そうかもしれません。でも、今後この関係が続いていると、エスカレートしていくこともありますし。そういうときに、言い出しづらくなっちゃうこともあるかと思ったのでー」
ベルゼバルト「あー、可能性はあるかも、な。成程ね、イオリなりのケジメってワケかい」
イオリ「そうですね、そうなりますー」
ベルゼバルト「ん、分かった」
イオリ「今後は控えようと思っていますー」
ベルゼバルト「あぁ、イオリの方針は理解したが」
イオリ「はい?」
ベルゼバルト「それを理由にあまり話しかけなくなったり声をかけるのを、つい躊躇されたりするのは、ちょーっと勘弁してほしいなっ」
イオリ「・・・ええ、ありがとうございます」
ベルゼバルト「基本的に気軽に頼むよ」
イオリ「いじるのを控えるだけで、お話自体はするつもりですよー」
ベルゼバルト「/mn15 ん、それ聞いて安心したっ。まー、そのー。恋話のような女子トークの類とかは、さすがに饒舌に返せる自信がないからそこん所は勘弁だぜ……?」
イオリ「ふふ、はーい、覚えておきますー」
ベルゼバルト「別にそれを一切するなって事じゃなく返しはうまくないってだけ理解してくれると助かるぜ」
イオリ「ええ、わかりましたー」
ベルゼバルト「/mn15 何分、付き合った回数ZEROだしな!!うははははっ」
イオリ「あら、私もそうですけどー」
ベルゼバルト「/mn22 ……な、なぬっ!!?」
イオリ「どうしてそんなに驚くんですかー?」
ベルゼバルト「/mn5 さすが女子だぜ……!ヤロウとはスペックが違うぜ……!!ぐぬぬっ」
イオリ「な、何を言ってるのかわかりませんが・・・。ともかく、お話はこれだけですけど、ベルゼさんのほうからほかに言いたいこととかありますかー?」
ベルゼバルト「んー。現時点でこれといって無い、な。なんか思いついたらそのつど聞かせてもらおうかなっ」
イオリ「はーい、そうしてくださいー。ではお話は終わりです、お時間くださってありがとうございますー」
ベルゼバルト「いーや、気にしないでくれ。じゃ、これで失礼するわっ。んじゃ、またなイオリっ」
イオリ「はーい、ありがとうございましたー」







レンくんの場合



イオリ「あ、レンくん、今お時間ありますかー?」
Ren「お疲れ様です・・・僕ですか? 僕は大丈夫ですけど・・・ねえさんは今いませんよ?」
イオリ「いえ、マリンさんじゃなくてレンくんに、ちょっと大事なお話ですー。私のお部屋にいらしてくださいー」
Ren「僕に大事な・・・? えーと・・・わかりました。ではすぐに向かいますね・・・」

レンくんが到着。

イオリ「いらっしゃいー」
Ren「お、お邪魔します・・・。」
イオリ「どうぞ、おかけくださいー」
Ren「ええと、では・・・失礼して。」
Ren oO(・・・やっぱり、似合ってるな・・・)
イオリ「それで、お話なのですけど、レンくんに謝りたいことがあってー」
Ren「あ、謝りたいこと・・・ですか? すみません、心当たりがありませんが・・・?」
イオリ「少しいじりすぎてしまったこと、でしょうかー。レンくんにも、嫌な思いをさせたと思いますので。だから、ごめんなさい」

レンくんに向かって、深く頭を下げる。

Ren「い、いえ・・・ッ! ぼ、僕は嫌な思いなど1つもしていません。で、ですから・・・ 顔を上げて。 大丈夫です、何も気にしていません。」
イオリ「・・・そう? ありがとうございますー」
Ren「ふぅ・・・びっくりしました。まさか、イオリさんに謝罪されるなんて・・・」
イオリ「ただ・・・今後も嫌な思いをしないとは限りませんのでー。これからは、少し控えようとは思ってますー」
Ren「控える・・・ですか。僕は気にしていないのですが・・・イオリさんが、そうすると言うのであれば・・・」
イオリ「このままでいると・・・今後、エスカレートするかもしれませんしー。そうしたときにレンくんが嫌な思いをしても、それを言い出しづらくなっちゃうと思うのですー」
Ren「・・・先のことはわかりませんが・・・僕としては、イオリさんのそういうところも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

途切れたレンくんの言葉の続きを、黙って待つ。
けれど。

Ren「・・・・・・・い、いえ、なんでもありません。ところで、話の内容からすると・・・この話、僕以外にもしたのでは・・・・?」
イオリ「ええ、しましたねー。ロウフルさん、ルークさん、フレイさん、ベルゼさんの4人ですねー」
Ren「・・・・・・・・。そうなんですか。その人達とも、こんな感じで?」
イオリ「ええ・・・みんなレンくんと同じように、嫌な思いはしていない、とー。ただ、今後のことを考えると、そういう厚意に甘えてばかりの関係でいるのはよくないな、と私が思ったのでー」
Ren「好意に甘える関係・・・ですか。僕は今のイオリさんもす、素敵だと思いますけど。これから・・・」
イオリ「ふふ、ありがとう・・・これから?」
Ren「どんな風に変わられていくのか、ちょっと気になります。ええと・・・話、というのはこの話で以上でしょうか?」
イオリ「これから、いじるのを控える、というだけですよー。お話はこれだけですー。レンくんのほうから、言いたいこととかがなければー」
Ren「・・・・そうですか。では、僕から少し。」
イオリ「はい、どうぞー」
Ren「イオリさん、貴女は・・・先程の4人にも、こんな風に話をしたと言いましたね。」
イオリ「ええ、言いましたー」
Ren「その時、何もありませんでしたか? こんな風に、ただ話をして終わりましたか? その4人は・・・ 全員男性ですよね。少し、気になります。」

脳裏によぎるのは、フレイさんの悪戯。
でもよく考えると、手を握られて顔を近づけられただけ。
変に意識してる私のほうがおかしいのかもしれないし、何よりあんなことがあったのを誰かに知られたくない。

イオリ「・・・ええ、特に何も」
Ren「・・・本当に? 何も、ですか?」
イオリ「ええ、何もありませんよー【にこにこ】」
Ren「・・・・・・・・・。イオリさん、この際だから言っておきます。」
イオリ「はい?」
Ren「貴女は、自分がどれほど魅力的な人か、気づいていない。だから、こんな時間に男を招き入れる。僕に言わせれば、自己評価が低いのはルリさんやねえさんだけじゃない、貴女もですよ、イオリさん。」
イオリ「え・・・?」

その言葉に、びくりと身体がすくんでしまう。
あのときと同じ、恐怖にも似た動悸が起こる。

Ren「・・・・・。今の状況、気がついてますよね? 僕と貴女と2人きり。僕は、「男」なんですよ?」
イオリ「・・・・・・」
Ren「だから・・・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
イオリ「・・・レンくんが、私に何かするのかしらー?」

精一杯の余裕を込めて発した言葉。
少しだけ声が震えてしまったかもしれない。

Ren「・・・・してもおかしくない、という話・・・・・です。」
イオリ「・・・・・・」
Ren「だから、あまり無闇に・・・男性と2人きりになるのはやめてください。貴女ほどの女性なら・・・そういうことがあっても、おかしくない・・・・・・ですから。」
イオリ「心配してくれたのですね、ありがとうございますー。でも、大丈夫ですよ。信頼してる人としか、こんな状況にはなりませんからー」

何もありませんでしたよ。
そう言うために、発した言葉だったけど。
それが逆に、彼の感情に触れてしまった。

Ren「・・・・・・・ッ。僕が・・・・僕がどれだけ・・・・ッ!【距離を詰めてすぐ近くで顔を見る】」
イオリ「えっ・・・えっ!?」
Ren「・・・・イオリさん、僕は・・・・!!」
Ren「・・・・・・・・・・。」
Ren「ご、ごめんなさい。忘れてください・・・・。」

私から距離をとってうしろを向いてしまうレンくん。
私は、暴れまわる心臓を押さえるように、胸に手を当てた。
フレイさんのときと同じだ。
こうやって少し近づかれただけで、いとも簡単に平静を失ってしまう。
レンくんが、ちらりとこちらを振り返る。

Ren「・・・え、えーと・・・僕はもう戻ります。きょ、今日はごめんなさい。でも、気をつけてください。」
イオリ「・・・あ、は、はい。・・・気をつけますー」
Ren「そ、それでは・・・・・。・・・・・・・おやすみなさい、イオリさん。また。」
イオリ「ええ、おやすみなさい・・・」







「ふう・・・」

これで、全員。
まだ、彼らとの関係が変わったわけじゃない、今までの清算をしただけ。
大事なのは、これから。

「とりあえず・・・」

今日は、私がいじめてる男の子筆頭、ちーちゃんの帰りが遅いみたい。
お腹をすかせて帰ってくるでしょうから、何か軽く食べるものを用意しておいてあげよう。

  • 最終更新:2015-09-15 00:58:19