いつかの起動

・・・・・
何もない
何も感じられない
ただただ考えるだけ
私はいったい・・・
ただあのぬくもりだけがいつも思い出される
手と顔に伝わるもっふもふで暖かなぬくもりを





『システム起動します』

突如めまぐるしい情報が駆け抜ける
まるで洗濯機の中に入れられてかき回せれているようだ
されたことないけどなんとなくそんな気分だ

しばらくたって情報の奔流が収まり視覚データを見る余裕がでてきた
これは・・・何かの施設?
とりあえず部屋の中でなにか虫を追いかけて走り回っている毛玉がすごく気になる
近寄ると逃げもせずすんなりと腕の中に納まる毛玉
なにかこれ見覚えがあるような・・・
撫でてみるが感触がない
ものすごく期待はずれな感情を抱きながら自身の体に目が止まる
毛玉を抱いている自身の姿になにか違和感を感じ、いまごろ自身がキャストだということに気がついた
さっそく機体データ、施設の情報、外部端末から現在の状況を判断する



どうやら自身は回収処分される身分らしい。施設は半ば放棄されているようだが
とりあえず外的要因として腕の中に納まっている猫により偶然起動させられた可能性が高いことがわかった

このまま回収を待つかとも考えたがどうにも性にあわない
というか外に出たくて堪らなかった
なんでかわからないがきっとキャストとはそうゆうもんなんだろう
いまだに腕の中に納まっている猫を肩に乗せ、私は研究所を飛び出した

久しぶり?の外に出て思う存分ブーストを吹かしながら走り回ってから
また猫と戯れて目標が決まった
「はやく感覚機能追加しないと!」
なにかすごく物足りなかった。



感覚機能追加後、自身の固体名称を聞かれたときに思わず抱きかかえていた猫の感触からもっふもふと名乗ったり
オーナーがいるキャストのほうが何かと審査が通りやすかったりしたので猫の名前をオーナーしてみたり
あんまりオーナーを構いすぎて一時期すぐに逃げられるようになったり
回収処分者であることを隠すためにマスクをつけてたらいつの間にか気に入ってたり
オーナーを構いたいけど我慢してたら関係修復できたり


そんなことがあったのはまた別の話


※死亡時に猫を抱きかかえていたのでその感触だけ強く残り、性格、行動に強く影響を与えています

  • 最終更新:2015-09-13 20:37:25